皆さまこんにちは。
弊社は石川県小松市を拠点に小松市,能美市,加賀市を中心に
「全棟気密検査実施 、 断熱性能UA値=0.34W/(㎡・K)以下 、気密性 C値=0.1c㎡/㎡、耐震等級3の住宅」を設計・施工させて頂いている小さな工務店です。7月28日までアイラシックホームでは、小松市で構造見学会を開催していました。
やはり構造見学会では、外気が35℃あっても2.2KWのエアコン1台での快適さを
体感していただくことが目的の一つですが、
もう一つは、気密処理の施工品質や基礎断熱のご説明もさせていただくことも
目的になります。
今回は、アイラシックホームでは標準施工の一つである基礎断熱のお話を
させていただきます。
寒い冬でも快適な暮らしをするために、対処したい事の一つが底冷えです。
「足元が冷えてなかなか温まらない」「冬になるとしもやけができる」
などと悩んでおられる方は多いのではないでしょうか。
どれだけ暖房を利かせても、足元がひんやりしていれば、寒さを感じやすく
暖房の効率も落ちてしまいます。
底冷えを避けるのには、床の断熱性能を高めることが重要です。
床の断熱方法には、大きく分けて「基礎断熱」と「床断熱」があります。
ここでは、基礎断熱と床断熱の違いとメリット、デメリットについてお話します。
基礎断熱とは
基礎と言われる部分に断熱材を使用し、建物の外回りすべてに断熱を行い、
床下の空間を室内空間へとしてしまう工法です。
比較的新しい断熱工法です。
一般的である床断熱と比べるとまだ施工件数は少ないですが、
今では、リスクも回避されていて、寒冷地を中心に採用されるようになっています。
床断熱と基礎断熱の違い
基礎断熱と床断熱の大きな違いは、断熱材を設置する場所です。
床断熱は、住宅の1階の床のすぐ下に断熱材を敷きしめて、床から
断熱する工法です。
床断熱の施工は、比較的スムーズに進みます。また、コストも
基礎断熱より抑えられます。
ただ、適切に施工されないと断熱材が断熱自体の重さで下がってしまい、
床と断熱材との間に隙間ができ、気密性が下がってしまうことがあります。
気密性が低いと、温めた家の中の熱を外に逃がす原因となるために
断熱性能が高いのに寒い!といったことが起きるか可能性があります。
また、床断熱の場合、基礎部分は、断熱処理をしないため、冷気が
入り込む可能性があります。
基礎断熱のメリット
1,断熱性・気密性が高い
基礎断熱の1つ目のメリットは、断熱性と気密性が高いことです。
基礎断熱では、床下の気密パッキンにより外気は入らないように
するので、床下の温度や湿度を室内と室温に近い温度に保てます。
冬でも床下からヒンヤリした空気をシャットダウンできるので、
床断熱性・気密性に優れているというのが大きなメリットです。
また、基礎断熱では、基礎の外周部の立ち上がり部分に断熱材を設置
するので、断熱材の厚みは、自由に変えられます。
床断熱のように構造部の大きさに断熱材の厚みを合わせる必要がなく、
断熱材の厚みを持たせることができます。
そのため、厚く敷いた断熱材により高い断熱効果を得ることができます。
2,省エネにつながる
基礎断熱の2つ目のメリットは、省エネになり、冷暖房費を節約できます。
基礎断熱では、住宅の基礎のコンクリート部分に断熱材を施工します。
基礎コンクリートの大きな特徴は、地熱の影響を受け●ことです。
夏は、外気温よりも地熱の方が低いので、コンクリートが冷やされます。
そのため、床にもヒンヤリした空気が伝わり、暑い夏でも室内で快適に
過ごせます。
一方、冬は地熱の影響で起訴コンクリートが蓄熱されるため、温かさが
持続します。
床下の断熱効果が高い基礎断熱なら、室内の温度は、外気温に左右されにくく
一定の温度に保ちやすくなります。
夏の冷房、冬の暖房の使用量を減らすことができ、冷暖房費を抑えられます。
3,配管が凍結しにくくなります
基礎断熱の3つ目のメリットは、床下の配管が凍結しにくくなる点です。
床下も室内の一部と考える基礎断熱では、基礎工事でコンクリートに
断熱材を施工し、床下も室内と同じような気温を保てるので、床下の
水道管は凍結しにくくなります。
基礎断熱のデメリット
1,シロアリ被害に気づきにくく、被害を受ける可能性がある
一つ目のデメリットは、シロアリ被害に気づきにくく、被害を受ける
可能性があります。
床断熱は、床下に換気口を設けるため、床下の風通しが良くなり、光も入り
込みます。シロアリは、風や光を嫌うので、シロアリ被害を防ぐのにある程度、
効果的な環境と言えます。
また、床下に空間ができることで、シロアリを目視で確認できます。
一方、基礎断熱では、断熱材と基礎との間にシロアリが入りやすく、
被害を受けてしまう場合があります。
基礎断熱でシロアリ被害を防ぐには、シロアリ対策が施された断熱材を
使用、基礎周辺に防蟻薬材を注入するなど、対策が必要です。
2,乾燥するまでにカビが発生しやすい
2つ目のデメリットは、乾燥するまでにカビがは発生する恐れがあります。
基礎コンクリートは水分が含んでいて基礎工事が完成してからも、すぐに水分が
抜けるわけではありません。基礎工事の完成後も約2年間は、水分が蒸発し続け
るため、カビが発生しやすくなります。
対策としては、床下に換気口をつけたり、24時間換気ができる設計が必要に
なります。
基礎断熱の種類
基礎断熱には、大きく分けると「基礎内断熱」と「基礎外断熱」
があります。
1,基礎内断熱
基礎内断熱は、基礎の立ち上がりの内側に断熱材を貼る工法です。
床断熱と比較すると、断熱材の厚みを増やすことができることが
メリットです。
基礎外断熱と比べると断熱性は少し劣るとされていますが、シロアリ
被害を減らすことができます。
2,基礎外断熱
基礎外断熱は、基礎の立ち上がりの外側に断熱材を貼る工法です。
基礎外断熱も床断熱と比べて断熱材の厚みを出しやすいという
メリットがあります。また、基礎内断熱よりも断熱性に優れているという
長所もあります。
しかし、最近の主流の工法は、基礎内断熱工法が多く、基礎外断熱で
施工する工務店は少ないです。
弊社アイラシックホームでは、基礎内断熱工法で新築をしています。
なぜ、基礎外断熱は少ないの?
1,シロアリが入りやすい
1つ目の理由は、シロアリが侵入しやすい点です。
基礎外断熱は、断熱材を外に貼るので、シロアリが断熱材の内部に侵入
するリスクが高くなります。
基礎の外に貼った断熱材とコンクリートのすき間は温かくて、
風の通りも少ないのでシロアリが好む環境になります。
すき間から入ったシロアリは、性質上、上へあがるので、建物の躯体
まで被害が及んでしまうこともあります。
2,床下にカビが生えやすい
2つ目の理由は、床下にカビが発生しやすいという点です。
基礎断熱では、床下に換気口を設置しません。また、梅雨から夏にかけて
のシーズンでは、地熱の影響により床下の温度が下がります。
床下の温度が下がると湿度が高くなり、床下にカビが発生しやすくなります。
施工が難しく、コストが高くなる
3つ目の理由は、施工難度が高くなります。
なぜなら、シロアリ対策として断熱材と基礎の間にシロアリ対策製品を
施行する必要があり、施工が難しくなります。
さらに資材費や施工費が高くなることにより、建築コストも高くなってしまいます。
まとめ
このように基礎断熱のメリット・デメリットと照らし合わせたうえで、
最適な工法を提案してくれる工務店を選べるといいですね。