2023.03.06

高性能住宅のスペックを決めるための手順

皆様、こんにちわ。

弊社は石川県小松市を拠点に小松市,能美市,加賀市を中心に

「全棟気密検査実施 、 断熱性能UA値=0.34W/(㎡・K)以下 、気密性 C値=0.1c㎡/㎡、耐震等級3の住宅」を設計・施工させて頂いている工務店です。

今回は高性能住宅スペックを決めていくための手順について書かせて頂こうと思います。

2023年の冬の出来事

2023年の冬は金沢では26年ぶりに最低気温マイナス5℃があるほどの大寒波でした。

小松市でもマイナス4℃で私も初めて極寒を経験しました。

石川県の北部でも約9,300世帯で断水があったことは記憶にも新しいと思います。


その寒さの影響でヒートショックでのトラブルが今年は例年以上に多いようです。

町内やお知り合いの方でも2件救急車で搬送されたお話をお聞きしました。

イラストで解説】ヒートショックとは|症状・原因や入浴時の予防・対策法まで紹介!|サービス付き高齢者向け住宅の学研ココファン

また,電力各社は春には電気料金を値上げするということで「節電」に関する情報は

お昼のワイドショーでも最も取り上げられているトピックスになっています。

北陸電力 来年4月から45%値上げ 経産省に申請 大手電力会社で最大 | TBS NEWS DIG (1ページ)

お知り合いの方と光熱費についてお話すると今年の冬は4人家族で安くて4万円台…

多く支払っているご家庭では8万円台。さらには10万円台のご家庭までいらっしゃいました…

2月からは国の補助が入り,どのご家庭も光熱費は緩和されると思いますが,補助期限は

2023年の10月まで…

2023~2024年の次の冬の光熱費は考えるだけでゾッとします。

最近のお客様の関心

このようなさまざまな環境の変化から最近のご来店頂くお客様は「高性能な家」

ご興味を持ってくださっている方が非常に増えているように感じます。

例えば,弊社にご来店頂くお客様と会話させて頂くと,「UA値やC値という言葉ご存じですか?」と

お聞きすると,2020年くらいには「知りません」という返答が8割でしたが,

2022年以降は「知っています」という返答が7割近くに増えており,

「高性能」が関心ごとになっていることがよくわかります。

高性能な家とは

高性能な家には様々な要素があると考えます。

「外部の温度環境に耐えれる省エネ性」

「地震に備えられる耐震性」

「エネルギーを自家発電できる創エネ性」

「創ったエネルギーを貯める蓄エネ性」

少なくともこれらが考えられます。

しかし,お客様それぞれに「建築予算」があります。

すべてを満たすことができればいいのですが,それは万人できることではありません。

となれば優先順位を決めていくことが大切になっていきます。

弊社が考える高性能住宅のスペックを決めるための優先順位

①「外部の温度環境に耐えられる省エネ性」

まず,一番の優先順位はこの「外部の温度環境に耐えられる省エネ性」です。

つまり,「断熱性と気密性」を高めることがそれになります。

2022年以前には断熱等級1~4までしかありませんでしたが,

2022年から断熱等級5~7が新設されました。

そして,2025年以降の新築住宅は最低でも断熱等級4以上が義務付けされるようになります。

<2025年以降の省エネ基準(断熱性)>

2025年以降の省エネ基準

断熱性能を高めるためには高性能な断熱材とサッシを活用することが不可欠です。確かにこれらを活用すれば一般のローコスト住宅よりは費用が上がります。しかし,一度施工してしまえば,電化製品などとは違いほぼフリーメンテナンスです。逆に後から「この家寒いから断熱工事しようかな」となれば壁を剥がして施工する必要があるため,莫大な費用がかかることになります。

断熱性能を高めればエアコンなどで創ったエネルギーを外部に逃がしづらくします。逆に外部の熱は屋外でシャットアウトできます。結果的に最も経済的に省エネが可能となるのがこの「断熱性」を高めることです。

YOUTUBEでホリエモンさんも電気代を下げる最も良い手段は断熱性を高めることだとお話しています。

ホリエモン】今すぐ電気代を下げる方法を教えます!(注意)暖房代は絶対ケチらないで下さい。#オール電化 #リノベーション #断熱材 #原子力発電  #小泉純一郎 ホリエモン先生【堀江貴文 切り抜き】 - YouTube

気密性は今のところ国の明確な基準はありません。(これは国の基準を一緒に決めている大手ハウスメーカーが全国の現場での標準施工を統一することが困難だということで基準がなされないという理由が一説にあります)

どちらにせよ,どれだけ高性能な断熱を使用していても住宅に風を抜ける穴があれば全くの無意味です。

高気密・高断熱なお家とは?メリット&デメリットも解説! | 日本中央住販大阪

断熱性能は高い気密性とほぼ一対でどちらも欠かせない要素になります。

②エネルギーを自家発電できる創エネ性

次に優先される要素は「エネルギーを自家発電できる創エネ性」になります。

住宅では創エネは太陽光発電システムが最も主流です。東京都が2022年5月に一般住宅を含む新築建物に太陽光発電システムを導入することが義務付けされたことは記憶に新しいと思います。

実際,弊社の新築のお客様の9割は太陽光発電システムを導入されていてこのエネルギー高騰の環境にも関わらず,12月,1月,2月以外は買う電気よりも売る電気の方が高い状況です。一般的に最も高い1月の電気代は2023年は20,000円程度だったようです。100,000円光熱費がかかる世帯も多くある時代ですから,家計には大助かりです。

③創ったエネルギーを貯める蓄エネ性

その次の優先順位は「創ったエネルギーを貯める蓄エネ性」です。

つまり,蓄電池やEV車を活用したV2Hになります。

V2Hと家庭用蓄電池の違いとは?各家庭ごとの選ぶポイントも解説!│ソーラーカーポートならトモシエ

昼間に発電された太陽光発電のエネルギーの余剰を蓄電池やEV車に貯めこみ,夜にその貯めた電気を活用することで電力会社等から買う電気を極力少なくしていきます。

現在,買う電気には使用量に使用料金とは別に再エネ賦課金や燃料調整費が掛けられています。

「あれ?省エネして去年より電気使用量が少ないのに料金が上がっている…」と経験される理由は

一昨年よりこれらの単価が上がっていることが理由です。

ですので,極力電気は買わないに越したことはありません。

しかし,現在の蓄電池の価格は工事費込みで80~200万円程度かかります。(蓄電池の容量で異なります)

ともすれば,「新築時にまとめて蓄電池も設置しよう」とは

なかなかなりづらい場合が多いのが現状です。

ですので,弊社のお客様には「太陽光発電のFIT(固定価格買取制度)が終わる10年後に蓄電池やV2Hの準備をしませんか?」とお伝えしています。

FITの10年を超えると余剰売電価格は半分以下になるため,その際蓄電池を取付して自家発電した電気を貯めて自家消費しようという考えで,その時期にくれば蓄電池自体の価格も現在よりも下がっている可能性も高いためです。

④地震に備えられる耐震性

この「地震に備えられる耐震性」に関することでいえば,現在は優先順位がお客様の考え次第で①,②,③,④にもなりうる可能性があります。「日本のどこでも大地震になる可能性がある」もしくは「住む地域に断層がないのでそこまで気にしない」とさまざま考えがあるからです。

しかし,建築基準法の改正により2025年からは木造と非木造の区別なく,基本的に2階建て以上の建物は建築確認申請時の構造計算書や構造関係資料の提出を省略できなくなります。

つまり「これからは耐震等級2~3クラスの家づくりを行ってくださいね」という国からのメッセージでもあります。

耐震等級とは?基本や調べ方を知って地震に強い家を選ぼう|HOME ALSOK研究所|ホームセキュリティのALSOK

実際,去年から新築時に地域グリーン化事業の補助金を活用する場合,「耐震等級2以上」が条件に加えられるようになってきました。

弊社も耐震や制震にはかなり力を入れています。

まとめ

これからの高性能住宅のスペックを決めていく手順と致しましてまずは①住宅の高断熱・気密化を行い,高省エネ化→②太陽光発電による創エネ化→③蓄電池を活用した蓄エネ化 そして耐震等級2以上の耐震性を加味していくことがこれからの時代でも経済的でかつ快適に暮らすことができる大切な家づくりの考え方ではないかと思います。

本日も最後までお読みくだりありがとうございます。住宅のことでお困りのことがございましたらお気軽にお問合せからご連絡ください。