皆様、こんにちは。
弊社は石川県小松市を拠点に小松市、能美市、加賀市を中心に
「全棟気密検査実施 、 断熱性能UA値=0.34W/(㎡・K)以下 、気密性 C値=0.1c㎡/㎡、耐震等級3の住宅」の住宅を設計・施工させて頂いている工務店です。
今日は、お家の断熱についてお話します。
「断熱性能の高い住宅」が良いことはわかっているものの、
どこまで断熱性能を上げればよいのか?わからないのではないでしょうか?
ここでは、「断熱性能について」と、これからの住宅に求められる「断熱等級」
などについてお話します。
追伸、令和6年11月22日に、ZEH基準の水準を大きく上回る省エネ住宅(GX志向
型住宅)の新築を支援する方針が閣議決定されたました。
その中の条件の一つに断熱性能6以上というものがあります。
なのでここでは、断熱性能のお話をします。

1、住宅における断熱性能のおもな基準
断熱性能の高さを表すものには、いろいろな指標・数値があります。
まずは、それぞれが何を示しているのかお話します。

UA値
「外皮平均熱貫流率(UA値)」を表している数値です。
経済産業省が発している資料「住宅における外皮性能」ではUA値は次のように
説明されています。
【・室内と外気の熱の出入りのしやすさの指標
・建物内外温度差を1℃としたときに、建物内部から外へ逃げる単位時間当た
りの熱量(換気による熱損失は除く)を外皮面積で除したもの】
UA値では家の壁や天井・床・窓などの「外皮」を通して、どのくらいの熱が
室内と室外の間を移動するのかを示しています。
つまり「家の中で温めた熱がどれだけ外へ逃げやすいのか」や「外の熱がど
のくらい中に伝わりやすいのか」を示す数値となり、このUA値が小さいほど
「高断熱な家」ということです。
ηAC値(イータエーシー値)
「冷房期の平均日射取得率(ηAC値)」を表している数値です。
「ηAC値もUA値と同様に経済産業省の資料「住宅における外皮性能」において
下記のように定義されています。
【・太陽日射の室内への入りやすさの指標
・単位日射強度当たりの日射により、建物内部で取得する熱量を冷房期間で
平均肢、外皮面積で除したもの】
つまり、ηAC値とは、夏場に太陽の日差しをどれだけ遮ることができるかを表す
数値です。
「数値が小さいほど日射が入りにくく、遮断性能が高い」ものとなるため、ηAC値
が小さいほど夏におけるエアコンの使用量を減らす(省エネ)ことにもなります。
Q値
「熱損失係数(Q値)を表す数値のことです。
Q値もUA値と同じで「熱の逃げやすさ」を示す指標です。
Q値がUA値と違う点は、主に二つあります。
一つ目は、「換気による熱損失も含まれる」ということです。
二つ目は、Q値はUA値のように「外皮面積」ではなく、「延床面積」で計算しています。
つまり、Q値を計算する場合、建物の延床面積が大きくなればQ値も小さくなる(=断熱
性能が高くなる)ことになります。
以前は、このQ値が指標にされていましたが、「住宅の床面積の違いで数値にばらつきがで
ることは、断熱性能を平等に比較する妨げになる」ということから、2013年の省エネ基準法
改正からQ値に変わってUA値が使用されるようになりました。
2、断熱等級とは?等級4・5・6・7を説明します
「断熱等級」とは、正式な名称は「断熱等性能等級」といいます。
建物がどのくらいの断熱性能があるかを等級で示したものです。国土交通省が2000年に
制定した「住宅の品質確保の促進等に関する法律(品確法)」において、この基準が設
けられました。
2024年現在までは、「等級が1~7までの段階があり、数字が大きいほど「断熱性が高い」
ことを示しています。
「等級」それぞれには「到達すべき性能数値(UA値・ηAC値)」が定められています。
住宅の床や壁、開口部や天井などで使用される断熱材の性能数値を踏まえて、どの断熱
等級に該当するか?が決まります。
また「住宅性能表示制度」にのって「住宅性能評価書」を交付申請すれば、第三者専門機
関によって「この家は、断熱等級をどれだけ満たしているか」証明してもらえます。
断熱等級4
例えば、6地域において断熱等級4を満たすには「UA値0.87以下」かつ「η―AC2.8以下」
であることが求められます。
2025年以降は、すべての新築住宅において断熱等級4への適合が義務づけられています。
断熱等級5
断熱等級5は、2022年4月に新設された等級水準です。
例えば、6地域において断熱等級5を満たすには「UA値0.60以下」かつ「ηAC値2.8以下」
であることが求められます。
なお、2030年以降は、すべての新築住宅において断熱等級5の適合が義務づけられま
す。
断熱等級6
断熱等級6は、2,022年10月に新設された水準です。基準を満たすためには「HEAT20 G2」
と同等レベルの断熱性能を要します。
「HEAT20 G2」の断熱性能であれば、冬の室温が「地域区分の1,2地域でおおむね15℃」
「その他の地域区分でおおむね13℃」を下回らないとされています。
断熱等級7
断熱等級7は、断熱等級6とともに2022年10月に新設された水準です。
「HEAT20 G3」レベルの断熱性能であれば、冬の室温が「地域区分の1,2,7地域でおおむ
ね16℃」「その他の地域区分でおおむね15℃」を下回らないとされています。
これからの住宅は、「断熱等級6」以上が必要!
では、新築をお考えの方は、断熱性能はどこまで必要になるの?
結論として、快適で健康的な家づくりということであれば、「断熱等級6」もしくは
「断熱等級7」、HEAT20基準ならG2~G3を目指すべきです。
まだまだ、私たちの近辺の住宅会社は、「UA値0.4でいいですよ」とお客様に言って
ところがあるようです。
お住まいされてから「エッ、脱衣場が寒い!」「トイレが寒い!」とならないことを
願っております。