皆様、こんにちは。
弊社は石川県小松市を拠点に、小松市・能美市・加賀市を中心に「全棟気密検査実施、断熱性能UA値=0.34W/(㎡・K)以下、気密性C値=0.1c㎡/㎡、耐震等級3の住宅」を設計・施工させていただいている小さな工務店です。
2023年の夏の暑さは史上最高レベルでした。石川県小松市では8月10日に最高気温40℃を記録し、全国で1位となったことは記憶に新しいかと思います。
この日、私は外回りでしたが、外にいるだけで体の水分があっという間に失われていくような感覚を覚えました。
そして、2024年の夏も異常な暑さとなり、春が短く夏が長かったことが印象的でした。
さらに、2025年3月27日には石川県で夏日を記録しました。この時期に25℃を超える気温になるとは、近年の気候変動の影響を強く感じます。2025年の夏も、昨年と同様に長く厳しい暑さが続く可能性が高そうです。
本当にゾッとする話ですが、近年の気温の上昇を踏まえると、それも十分にあり得ることです。だからこそ、せめて家の中だけでも家族が快適に過ごせる空間を作っておきたいものです。
今回は、そんな異常な暑さに備えるために、最初に取り組むべきリーズナブルで効果的な方法をご紹介します。
そこで今回は、これから家を建てる方に向けて、異常な暑さに備えるために最初に取り組むべきリーズナブルで効果的な方法をご紹介します。
熱中症のリスクが高まるのは「暑さ指標28℃」から
猛暑が続くと心配なのが熱中症です。しかし、熱中症を引き起こす原因は単なる「気温」だけではありません。
熱中症を予防するためには、「暑さ指標(WBGT)」を考慮することが重要です。
この暑さ指標は「気温・湿度・輻射熱(直射日光などの影響)」を総合的に考えた指標であり、28℃を超えると熱中症リスクが高まるとされています。
つまり、気温だけでなく湿度や輻射熱をコントロールすることが、室内を快適に保つ鍵となるのです。
そこで、まず最初に取り組むべきことは「外部からの遮熱」です。
最初に取り組むべきは「外部からの遮熱」
2024年の猛暑を乗り越えるために、まず取り組むべきことは「外部からの日射の遮熱」です。
室内に最も熱が入る場所は「窓」です。そのため、窓の外側から熱を遮断することで、室内の温度上昇を大幅に抑えることができます。
例えば、昔ながらの方法では「葦簀(よしず)」や「簾(すだれ)」が代表的です。これらは直射日光を遮りつつも風を通すため、自然な涼しさを演出できます。
現代版としては「スタイルシェード」などの外付け日よけがあります。
スタイルシェードとは?
スタイルシェードは、住宅の窓の外側に設置するロールスクリーンタイプの日よけです。

既存住宅の高断熱化には何百万円〜何千万円の費用がかかりますが、スタイルシェードの取り付けであれば、窓の大きさにもよりますが数万円で済むことが多いです。DIYが得意な方であれば、さらに安価で設置できる可能性もあります。
費用対効果が非常に高く、まず取り組むべき対策として最適です。
スタイルシェードの効果
実際の住宅で、スタイルシェードがある場合とない場合の室温を比較したデータがあります。
ある日、外気温がほぼ同じ条件のもとで測定した結果、
- スタイルシェードなし:室温 30℃
- スタイルシェードあり:室温 26.3℃
このように3.7℃もの差が出ました。
この違いは、室内の快適性に大きく影響します。さらに、この温度差はエアコンの効率にも直結します。
エアコンの設定温度1℃で電気代が変わる
室内が暑くなればなるほど、エアコンへの負荷がかかります。
一般的に、エアコンの設定温度を1℃下げると消費電力が約10〜13%増加すると言われています。
逆に言えば、スタイルシェードなどを活用して室温を3.7℃抑えられれば、エアコンの使用量を抑えられ、電気代の節約にもつながるのです。
この観点からも、スタイルシェードなどの外部遮熱がいかに有効であるかが分かります。
これから家を建てる方におすすめの暑さ対策
新築を考えている方には、スタイルシェードに加えて、以下のような暑さ対策も検討することをおすすめします。
- 高断熱・高気密な住宅設計(UA値・C値の向上)
- 軒や庇を活用したパッシブデザイン
- Low-E複層ガラスの導入
- 第一種換気システムの採用(熱交換率の高い換気システム)
- 遮熱塗料を使用した外壁・屋根
これらを取り入れることで、エアコンに頼りすぎず、快適でエコな暮らしを実現できます。
まとめ
今回は、これから迎える異常な暑さの夏を乗り越えるために、住宅で最初に取り組むべき対策についてお伝えしました。
実際に近所を歩いて住宅を見ていると、まだまだ「外部からの遮熱」の意識が浸透していないと感じます。
来年の夏の対策として、まずはスタイルシェードの導入を検討してみてはいかがでしょうか?
弊社では、高気密・高断熱住宅の性能を活かした快適な暮らしのための情報発信やイベントを随時実施しています。
本日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。