地震に強く、快適で省エネな家づくり。アイラシックホームの長期優良住宅の魅力

みなさんは長期優良住宅について、どの程度ご存知でしょうか?
言葉からは、長持ちしそうな快適な住宅というイメージが伝わってきますが、本当のところはどうなんでしょう?

2024年1月1日の能登半島地震では、弊社所在地の小松市でも被害があったことは悲しい記憶として残っています。
また、大雨などの自然災害も増えており、この様な災害に見舞われても快適な生活を維持していくことが、これからの住宅に求められることと捉えています。
更に、電気代の高騰も一過性なものではなく、エネルギーロスの少ない住宅についても必須のものになってきています。
この様に将来の住宅について、あるべき姿にして行こうということで、国が補助金を提供し推進しているものが長期優良住宅の認定制度です。

かなり長文になってしまいましたが、詳しく解説しましたので、最後までお読み頂くことでご理解いただけるものと思っています。

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長期優良住宅とは何か?

長期優良住宅の定義は、「長期にわたり良好な状態で使用するために措置が講じられた優良住宅」になります。
この長期優良住宅には国土交通省において認定制度があり、平成21年6月4日より新築住宅を対象として開始され、約15年前に始まり継続されている制度になります。
また、平成28年4月1日から既存住宅の増築・改築を対象とした制度も開始されました。

1-1.

長期優良住宅が生まれた背景と目的

長期優良住宅が生まれた背景と目的

日本において一般的な住宅寿命は30年程度と言われてきました。
住宅寿命が30年ということは、それ以上に築年数が経った住宅の資産価値は0ということで、なんだか悲しくなりますね。

もちろん、悲しくなるのは住宅の所有者なのですが、実は国全体の正味資産(国富)も下がっていくという事になるのです。

日本としてこの問題を改善し持続可能な社会にするため、約100年、つまり3代にわたり使用できる高性能住宅を増やしていく。
そんな目的で「長期優良住宅」の認定制度が生まれました。

1-2.

認定基準とその重要性

認定基準とその重要性

長期優良住宅の主な認定基準は、下記の8項目となっています。

  1. 耐震性
  2. 省エネルギー対策
  3. 維持管理・更新の容易性
  4. 劣化対策
  5. 住戸面積
  6. 居住環境
  7. 災害配慮
  8. 維持保全計画

これらの項目の全ての基準を満たし、所管行政庁に申請することで認定を受けることができます。

そして、2022年10月1日より、長期優良住宅の制度改正が行われて基準が変更されました。
詳細を以下に⁩てお伝えしますが、大きな変化としては「耐震性」「省エネルギー対策」になります。

改定前~2022年9月 改定後2022年10月~
耐震性のアイコン耐震性
耐震等級等級2以上
耐震等級等級3
省エネ性のアイコン省エネ性
断熱等性能等級等級4
断熱等性能等級等級5
一次エネルギー消費量等級等級6
メンテナンス性のアイコンメンテナンス性
維持管理対策等級等級3
耐久性のアイコン耐久性
劣化対策等級等級3

つづいて、「長期優良住宅の主な特徴とメリット」をお伝えしていきます。

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長期優良住宅の
主な特徴とメリット

長期優良住宅の基準をクリアされた住宅は、長寿命化された安全性と快適性の高い住宅といえます。
所有者にとっての一番のメリットは、この大きな安心を手に入れられることです。

しかし、「質の高い家=コストが高くなる」と懸念される方も多いと思います。

確かに初期のコストは一般住宅よりも高くなります。
ですが、一般住宅の寿命で30年、長期優良住宅の寿命で100年であるとすれば、所有者の2代先は必ず経済的恩恵、メリットを受けることになります。
また所有者においても、住宅ローン控除、住宅ローン引き下げ(フラット35)、その他の税制優遇、更に地震保険の割引などの優遇を受ける経済的メリットがあります。

2-1.

優れた耐震性能で地震に強い家

優れた耐震性能で地震に強い家

長期優良住宅に認定された住宅は、地震に強い住宅になり、安心して生活できるメリットがあります。
なぜなら、長期優良住宅は国に定められた耐震基準に基づいて、高い耐震性が求められるからです。

具体的な基準は、耐震等級3が必須になります。
耐震等級3は、耐震等級1と比べて1.5倍の地震力に耐えられるとされ、警察署や消防署など防災の拠点となる建物の耐震性と同等とされています。

耐力壁の壁量、配置バランス、床倍率、接合部の強度、基礎の強度などの要素が地震による揺れに対する抵抗力を高め、住宅の安全性を確保してくれます。

2-2.

高い省エネルギー性能で光熱費を削減

高い省エネルギー性能で光熱費を削減

また、快適な居住空間環境を整えるために、高い断熱性能や省エネルギー性能が、長期優良住宅では求められます。

最低基準としては、断熱等級5以上が不可欠になります。
これは季節を問わず快適に過ごせることはもちろんのこと、居住者の健康維持にも直結します。

また、冷暖房費の軽減にも繋がることで経済的に暮らすことが可能になり、地球環境にもやさしい住宅という役割も果たしてくれます。

2-3.

劣化対策による長寿命化

劣化対策による長寿命化

長期優良住宅は、3世代にわたって住み続けられるように設計されています。
これには構造や骨組の丈夫さ、また維持管理の容易さが含まれています。

100年以上の耐久性を目指し、構造部材と設備配管などのメンテナンスを行いやすい設計が施されています。

2-4.

税制優遇や住宅ローン金利の優遇措置

長期優良住宅の認定を取得することにより、以下4つのメリットを受け取ることができます。

  • 1

    住宅ローン控除
    長期優良住宅にするメリットとして、一つは住宅ローン控除額が最大限になるということです。
    表がその詳細です。

新築住宅の住宅ローン控除の最大控除額
項目 2021年入居 2022年・2023年入居 2024年・2025年入居
認定長期優良住宅 500万円 455万円 409.5万円
ZEH対象 一般住宅 400万円 409.5万円 318.5万円
省エネ基準適合住宅 400万円 364万円 273万円
一般住宅 400万円 273万円(21万円×13年) 0円

※控除率:0.7% ※控除期間:13年 ※2023年12月時点のデータ

  • 2

    住宅ローンの金利引き下げ
    固定金利フラット35Sでは、下記の表のように金利引き下げの対象になります。
    地銀によっては同じく長期優良住宅での金利引き下げもあります。

期間 プラン 引き下げ率
当初5年間 フラット35S(金利Aプラン)および維持保全型 年0.25%引き下げ
6年から10年目 フラット35S(金利Aプラン)および維持保全型 年0.5%引き下げ
  • 3

    その他の税制優遇
    固定資産(戸建て)の減税措置(1/2減額)についてですが、一般住宅が1~3年に対して、長期優良住宅では1年~7年になります。
    不動産所得税の控除額については、一般住宅の場合1,200万円に対して、長期優良住宅の場合、控除額が100万円多い1,300万円になります。

税種 一般住宅 長期優良住宅
固定資産税 減税期間 1~3年間 減税期間 1~7年間
不動産取得税 控除額 1,200万円 控除額 1,300万円
  • 4

    地震保険割引
    長期優良住宅は地震に強い家となりますので、当然、地震割引があります。
    50%割引となっており、大きな違いですね。

特典種類 特典内容
地震保険料割引 耐震等級2で30%、耐震等級3で50%割引
2-5.

資産価値の維持と向上

資産価値の維持と向上

現在の日本では、建物の不動産価値は計算上、20年で0円になってしまいます。
投資に置き換えて考えると、考えられないことではないでしょうか。
20年後に0円になると分かっていて、日本では多くの人が家を建てています。

欧米はどうでしょうか?
欧米の家は、古くなればなるほど価値が高くなる文化があります。
イギリスでは築200年~300年の家は超高値で取引されるのは当たり前の話です。
「人口が増えている」「街並みを守る文化がある」「構造が石造りで長持ち」「湿気の少ない気候」など、欧米と日本では考え方や環境の違いがあるからでしょう。
とは言え、日本でこれから建てる優良な住宅は、資産価値が上昇することは難しいにしても、少なくとも下落は抑えていくべきと考えています。
住宅の資産価値が0になって悲しむのは所有者だけではありません。
国全体の正味資産(国富)も下がっていくことになるのです。

2~3代にわたり100年以上安全で快適に住める住宅をストックしていくことは、国の資産価値を守ることにもつながっていきます。

ですので、これからさらに住宅に対する資産価値の維持・向上に対して、国の施策がなされていくと思われます。

ここまで「長期優良住宅の主な特徴とメリット」をお伝えしましたが、この後は弊社アイラシックホームが建てる長期優良住宅についてお伝えしていきます。

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アイラシックホームが提供する
長期優良住宅の特長

アイラシックホームが提供する長期優良住宅の特長

令和4年10月以降、現在の長期優良住宅の省エネ性能基準は、省エネルギー対策等級5(断熱等級5)、1次エネルギー消費量等級6と以前にも増してよりシビアになりました。
しかし、国が定めたこの省エネ性基準ですが、弊社ではまだ足りないと考えております。

心地よく快適に暮らしていただくためにはどんな基準で住宅を建てるべきなのか検討を行い、弊社独自にオリジナルの基準を設けて家づくりをさせていただいております。

3-1.

全棟気密検査実施と高断熱・高気密性能

アイラシックホームで建てるすべての住宅は、省エネ基準地域区分5地域での断熱等級6UA値0.34(W/㎡)K以下を標準とさせていただいております。
また長期優良住宅の基準にはなっていませんが、住宅の相当隙間面積C値0.1(c㎡/㎡)台を確保することも標準とさせていただいております。
住宅に隙間が少ない、つまり気密性が高くなるということで、室内温室環境が良くなり省エネ性や快適性は向上しますが、そのことにより壁内結露を抑制する働きもあります。

気密性を高めることは、省エネ性や快適性の向上だけでなく、家自体の劣化対策にもつながるのです。

断熱気密処理断熱気密処理
断熱気密処理断熱気密処理

気密性能と計画給換気

例えば、C値5(c㎡/㎡)の場合は、計画給換気の15%しか換気されません。
C値1(c㎡/㎡)では、計画給換気の50%、C値0.1(c㎡/㎡)でようやく計画給換気の90%程度を確保することができます。

気密性能と計画給換気

計画給換気を適切に行えるということは、シックハウス症候群の原因の一つであるホルムアルデヒドなどの有害物質や湿気を屋外に排出しやすくなり、そこに住む家族一人ひとりと住宅そのものの健康寿命を高めることにつながります。

ちなみに気密性の数値は、現場での気密検査でしか測ることはできません。
弊社ではこの気密検査を全棟実施しております。

気密検査の様子気密検査の様子
気密検査の様子気密検査の様子

詳しくは下記ページにて解説しています。長い文章で恐縮ですが、ご興味がございましたらご覧ください。

3-2.

耐震等級3の構造設計

アイラシックホームでは、許容応力度計算による耐震等級3を採用しております。
耐震等級の算出方法には、この他に壁量計算による方法があります。

耐震等級の算出方法

許容応力度計算によって確認すること

壁量計算は、建物の自重や積載荷重、積雪荷重について考慮されておらず、耐力壁が適切かどうかチェックする簡易的な計算方式になります。
それ対して、許容応力度計算は構造全体を詳細に検討して、荷重や地震などに対し建物が耐えられるかどうかを細かく確認する計算方式になります。
専用ソフトを用いて、壁量だけでなく、梁や柱、接合部のすべてにおいて安全を確認する緻密な計算方法となります。

現在、3階以上の木造住宅と延床面積500㎡を超える2階建以下の木造住宅では、この許容応力度計算が義務づけられています。


つまり、許容応力度計算は壁量計算よりも信頼性が高く、建物の安全性を担保することができることから、弊社では許容応力度計算を採用しております。

重ねて、耐震と同様に制震構造も重要になります。


制震とは

制震とは建物内で地震の揺れを吸収する構造のことで、昨今繰り返し多く地震がある日本では必要不可欠な要素になります。

弊社ではこの制震構造を標準としており、アイディールブレーンの制震テープを建物全面に施工する方法を用いています。
この制震テープはもともと高層ビル用に開発された粘弾性体で耐久性とエネルギー吸収性に大変優れています。
110年以上も粘着強度が保たれた実証もあり、永く安心して住み続けるために、重要な住宅制震システムになります。

詳しくは下記ページにて解説しています。長い文章で恐縮ですが、ご興味がございましたらご覧ください。

3-3.

パッシブデザインによる快適な室内環境

弊社ではパッシブデザインをお客様にご提案しています。
パッシブデザインとは、「太陽の光や熱、風などの自然エネルギーを活用して快適な住環境をつくるための設計手法」です。
その中の重要なひとつの要素として、「平均日射取得率」というものがあります。

平均日射取得率とは

平均日射取得率とは

平均日射取得率とは、室内に日射がどれだけ入り込む割合を示すもので、冷房期(ηAC値)暖房期(ηAH値)の二種類があります。
ηAC値は夏場の平均日射取得率になるため、できるだけ屋内に日射入れ込みたくありません。
従って、数値は低い方がいいということになります。
また、ηAH値は冬場の平均日射取得率となり、ηAC値とは逆にできるだけ日射を入れ込みたいので、数値は高い方がいいということになります。

アイラシックホームで建てるすべての住宅においては、ηAC値1以下を標準にしております。
断熱性・気密性が高い住宅は室内で作ったエネルギーは外に逃げにくくなるため、冬場は特に快適になります。

しかし、夏場は注意が必要です。
夏場は窓から侵入する太陽熱が室内に入ってしまうと、冬場同様にエネルギーが逃げないため、一般住宅よりも不快に感じてしまう可能性があります。

従って、夏冬も快適に過ごすことができるようにするため、弊社では冷房期の平均日射取得率ηAC値の標準値を定めています。

詳しくは下記ページをご覧ください。

自然の光と風を活かす
アイラシックホームのパッシブデザイン
3-4.

お客様のライフスタイルに合わせた自由設計

弊社では、お客様のライフスタイルに合わせた自由設計を得意としています。
間取りの可変性が高く、一人ひとり異なる快適な暮らしを実現することが可能になります。

吹き抜け住宅の例

例えば、リビングやダイニングの上に吹抜を設けたいというお客様のご要望は弊社ではとても多いです。
やはり、開放的なLDKは憧れの一つかと思います。
しかし、「吹抜=寒い」というイメージが多くの方にはあると思います。
実際、弊社のお客様が他社のハウスメーカーの見学へ行かれた際、「吹抜は寒くなるからやめた方がいいですよ」と言われたという話をよく耳にします。

弊社では、逆におすすめしている立場で、吹抜があっても暖かい空間を創りだす技術を備えています。
吹抜があることが功を奏して、1階と2階の熱移動がしやすくなり、快適性が上がります。
もちろん、耐震等級にも支障がないように設計を行います。

コンパクト住宅の例

また、弊社ではコンパクト住宅も得意としています。
コンパクト住宅を実現するポイントは、普通の家にはある空間を、あえてなくす必要があります。
それは「廊下」などです。
一般住宅では廊下の面積は住宅全体の面積の6%以上あります。
これを少なくすることで、コンパクト住宅が可能になります。

弊社では玄関から屋内に入ると、すぐLDKという住宅設計も珍しくありません。 なぜなら、弊社が建てる住宅は高気密高断熱なため、廊下を挟まずとも快適な温熱環境を保つことが可能になるからです。

最近では防音室のご要望もあります。
仲間が集って皆で楽しく楽器の演奏、日常ではゆっくりとシアタールームで映画鑑賞をするなど、様々な用途として利用できます。
防音室はいかに防音材や吸音材を駆使して、いかに隙間のない施工ができるかが重要になります。
弊社は元々、気密処理施工能力が高い工務店ですので、防音室造作も得意としています。

このように、お客様のご要望はさまざまです。

「他社で難しい」と言われたご要望を弊社で叶えられた、という実際のお客様の事例は数多く存在します。

4

省エネ性能と
光熱費削減の取り組み

アイラシックホームでは、住宅性能UA値0.34(W/㎡k)以下、C値0.1(c㎡/㎡)台、ηAC値1以下を標準としています。
また、多くのお客様が太陽光発電システムを採用されます。

アイラシックホームの
住宅性能最低基準

  • UA値0.34〔W/㎡・K〕
  • C値0.1
  • ηAC値1以下

住宅はすべて自由設計としているため、そのプランの外皮計算を求め、光熱費シミュレーションをすべてご提案させていただきます。
光熱費シミュレーションの精度は非常に高く、建物の大きさにもよりますが、年間5万円程度になります。
弊社では、お客様が新居に1年間住居されると、年間光熱費をインタビューさせていただきますが、これまで全てのお客様でシミュレーションを上回る光熱費になったことはありません。
実際、弊社のお客様の年間光熱費の平均値は4万円程度になります。

光熱費シミュレーション例

光熱費シミュレーション例

最近のニュースで「2025年1月の電気代が12万円超」というニュースを目にして、私も驚きました。
資源が乏しい日本は、これからもエネルギーの高騰は避けられないと考えます。
ともなれば、これから住宅を建てられる方は、毎月の住宅ローンの返済額と同様に、この住宅で年間どれだけの電気代を支払っていくのかを明確にした上で、家づくりを考えていくことは大変重要な要素と言えます。

2025年度には、GX志向住宅において最大で160万円の補助金がスタートします。

弊社ではプランニングの時点で、光熱費シュミレーションとGX住宅適合判定書もご提出させていただきます。


GX志向住宅を適合させるためにはかなり難易度が高く、他ハウスメーカーでは商品グレードを上げるしかないのですが、弊社では標準仕様で追加費用なくGX志向住宅に適合することができます。

「GX志向型住宅」とは?
4-1.

高性能断熱材と窓サッシの採用

高性能断熱材と窓サッシの採用

弊社では、住宅性能UA値0.34(W/㎡k)以下を標準としていますが、それを可能にするためには、一つ一つの断熱材や窓の性能が高くなければ実現できません。
材料の熱の伝わりやすさを示す数値として熱伝導率λ値という仕様があります。
低ければ低いほど、熱が伝わりにくいことになります。
弊社が採用している断熱材スーパーウォールパネルは、λ値0.019(W/㎡k)になります。
ちなみに高性能グラスウール16Kではλ値0.038(w/㎡k)、現場吹付発砲断熱材ウレタン0.038(W/㎡k)となり、比較すると約2倍の断熱性能があります。
この熱伝導率に加え、断熱材の厚み85mmが弊社標準になっていることが、UA値を高められる重要な要素です。

また、床下の断熱工法も忘れてはいけません。
大きく分けて床断熱工法と基礎断熱工法が存在します。
床断熱工法は床下を外とみなし、基礎断熱工法は床下を屋内とみなします。

床断熱工法と基礎断熱工法

弊社では、高気密高断熱住宅の場合、基礎断熱工法は必須と考えています。
断熱性能UA値は、建物の大きさや使用する材料などで机上で割り出すことができます。
床断熱工法と基礎断熱工法の違いで同じUA値の住宅であった場合、冬場で確実に床が冷えてしまうのは床断熱工法になります。
土台などの木部が外部の冷気に直接触れるためです。
木も熱伝導率が高いとは言われますが、檜で0.12(W/㎡k)程度であるため、断熱材とは比較にならないほど低い数値です。
お客様の住み心地を考えた上で、弊社では基礎断熱工法中でも内基礎断熱工法を標準としております。
基礎断熱は、JSPミラフォーム0.028(W/㎡k)を採用し、基礎立ち上がり部100mm、土間部50mmを標準としています。

窓サッシ

また、サッシは高性能樹脂サッシを標準としており、熱貫流率は1.27(W/㎡k)以下になります。
アルミ樹脂複合サッシとどちらが良いかとお客様からご質問を頂きますが、断熱性能の観点で言えば、数字上はもちろんのこと現場での体感においても、北陸では樹脂サッシの方が利点があると弊社では考えています。
太平洋側であれば、日射率、紫外線の多さを考慮するとアルミ樹脂複合サッシに利点があると思われます。
大事なのはその地域にどちらが適切かということです。

玄関ドアは高断熱玄関ドアで、熱貫流率1.33(W/㎡k)以下を弊社標準にしています。
他のハウスメーカーよりも2ランクほど性能の高い商品を標準にしているのですが、その理由は玄関とリビングの間に廊下を挟まないプランが多いため、温室環境を快適にするには玄関ドアの断熱性能が非常に重要だからです。

4-2.

太陽光発電システムの導入

太陽光パネル

弊社では、ほぼ100%に近いお客様が太陽光発電システムを導入されています。
北陸は太平洋側と比較すると、日照時間は少ないのですが、それでも年間を通してパネルの合計分はしっかり発電してくれます。
実際、太陽光発電を導入されたお客様の100%がご満足いただけています。

弊社のエネルギーが逃げにくい住宅性能にプラスして、太陽光発電システムで創エネをするからこそ意味があり、メリットがあります。

スカスカでエネルギーが逃げやすい住宅に太陽光発電システムを導入しても、正直あまりメリットがありません。

次は太陽光発電システムの大きさについてです。
太陽光発電システムには、大きく分けてパネルとパワーコンディショナー(以下パワコン)があります。
パワコンとは、太陽光発電で発電した電力を直流から交流に変換して、家庭内へ給電する変換装置になります。
ですので、どれだけたくさんのパネルを多く載せても、パワーコンデショナーの出力以上には給電できないことになります。

弊社ではお客様にはパワコンの容量よりも少し多めのパネルの容量をご提案させていただいています。
これを過積載といいます。
過積載では、パワコンの容量に対してパネルの容量の多い分が無駄になるのでは?とお考えの方も多いと思います。
分かりやすい様に図を添付させて頂きますのでご参照ください。

確かにパワコンの容量以上の発電は削減されることになります。
これをピークカットと呼びます。
パワコンの容量分と同じパネル容量とした場合の元の発電量(青い山)と過積載の発電量(赤い山)を比較すると、過積載の発電量はピークカットされているものの、全体の発電量は底上げされるため、ピーク時以外の部分で多くの発電を可能にします。

また、太陽光発電システム+おひさまエコキュートをご採用頂ければ、日中の余った電気でエコキュートでお湯を沸かすことができるのでメリットもより増えます。

2025年GX志向住宅での160万円の補助金分で太陽光発電を導入できることを考えれば、お客様にとって大変魅力的な施策ですね。

4-3.

省エネ設備の提案

省エネ設備の提案

これからの住宅では断熱性能などの他に、省エネ設備の導入をすることが重要になってきます。
住宅には、一次エネルギー消費量という省エネルギー性能を評価する指標があり、住宅で利用するエネルギーを熱量に換算した値で、冷暖房・換気・給湯・照明・太陽光発電を合計したものになります。
数値が小さいほど省エネ性が高いことを示します。
弊社ではリビングのメイン冷暖房機はエネルギー消費効率最高ランク(い)、給湯器は年間給湯保温効率3.3以上の高い商品を標準に捉えています。

また、換気は熱交換器型1種換気システムエコエア90を標準採用しています。

エコエア90

熱回収率を90%で行うため、冬場0℃の室外で20℃の室内の場合、外気から給気された0℃の空気を18℃に温めて室内に入れてくれるシステムになります。
室温と同時に湿度も調整してくれます。


室外0℃の空気を室内に直接取り込む3種換気システムより、快適な室内環境になります。

5

長期優良住宅の
認定取得までの流れ

長期優良住宅の認定取得は、認定基準に適合するように設計を行った後、登録住宅性能評価機関に技術的審査を依頼します。
その後、さまざまな質疑応答を介して適合証受領ができます。
次に、所轄行政庁に認定申請書を提出して認定通知書を受領することができます。
注意点は、認定が下りてからの建築着工となり、認定が下りる前に着工をすると認定されなくなります。
その後工事完了報告を行い、所轄行政庁による受理、認定が取得できる流れになります。

5-1.

認定申請の手続きと必要書類

認定申請書

認定申請書の例

設計内容説明書

設計内容説明書の例

各種図面・計算書

各種図面・計算書の例

適合書

適合書の例
5-2.

設計・施工時のポイント

設計・施工時のポイント

長期優良住宅ですので、将来のメンテナンスがしやすくなる様な設計が求められます。
例えば、天井裏や床下の点検口の位置をしっかり設計しておく必要があります。
特に床下空間の部分ですが、「床下空間が330mm以上」という基準があります。
サンクンリビングやダウンフロアにする場合は、長期優良住宅は非常に厳しくなります。
高基礎にするなら可能ですが、ダウンフロアのためだけの高基礎であれば、コストは割高に感じます。

長期優良住宅は、あくまでも将来的にメンテナンスがしやすい様にするためが一つの目的ですので、「床下空間が330mm以上」が必要となるのです。

その他にも、小屋裏換気を専用部材で天井面積の1/250以上の有効開口面積が必要になります。
理由としては、軒裏が適切に換気されていないと、湿気を含んだ暖かい空気が小屋裏に留まることになり、結露の原因になり木部の腐食により屋根の耐久性に悪影響になりかねないからです。

また認定でよくひっかかるのは、「75㎡を下回る家は長期優良住宅にならない」ということです。
75㎡は22.6坪になります。
小さすぎる家は長期優良住宅の対象にならないのです。
しかし、現在全国的にもコンパクト住宅が普及している状況を踏まえると、将来的には緩和される可能性があります。

5-3.

アフターメンテナンスと定期点検の重要性

長期優良住宅のアフターサービスでは、工事完了後10年以内を目途に、10年後ごとに点検を行う必要があります。
不備が見受けられた場合には、調査・修繕・改良・点検の結果を踏まえて、必要に応じて改修する必要があります。

家価値60年サポート

弊社では、お客様に無償で家価値60年サポートにご加入いただいています。

これは新築時に住宅を提供してから60年間、お客様の安心した住生活をサポートするための仕組みてす。
長期メンテナンス計画を作成し、アフターサービスでは外部調査員を同行して、3年、5年、10年ごとに定期点検を行わさせていただきます。

長期修繕計画作成
長期修繕計画作成

また、弊社で独自にお客様の住宅のお引渡し日を「おうちの誕生日」としており、毎年その月には都度、定期訪問させていただいております。

住宅は建てて終わりではなく、建ててからが永いお付き合いの始まりだと弊社は考えています。

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長期優良住宅
モデルハウスの実例

長期優良住宅モデルハウス

2024年年末に、長期優良住宅に認定いただいた、弊社モデルハウスが完成致しました。
断熱等級7、UA値 0.19(W/㎡K)、Q値 0.68(W/㎡K)、C値 0.09(c㎡/㎡)、ηAC値 0.6、太陽光発電 7.785KW、蓄電池5.8KW搭載という仕様になります。
日本の住宅性能は、海外と比較するとレベルはかなり劣り、ドイツの犬小屋の方が断熱性能が高いと言われています。
この話を聞いたとき、驚きと同時に悔しい思いをずっと持ち続けていました。

「いつか海外でも通用する住宅を地元で建ててたい」という想いを持ち、地域の方々に体感していただき、これからの日本のそして地域の家づくりの底上げに少しでも貢献できればと思ったのがモデルハウスを建てたキッカケになります。
コンセプトは長期優良住宅の理念でもある「100年、3代が安全安心快適に過ごすことができる家」です。

長期優良住宅モデルハウス

今回の現場で重視したのは、気密性はもちろんのこと、徹底的に熱橋(ヒートブリッジ)対策を行うことでした。
断熱性能は机上で算出できますが、机上の断熱性能以上の現場にすることが一番意識した点です。
基礎断熱は断熱土間全面貼りにして、床下温度20℃、床表面温度21℃が実現できました。
お陰様で−3℃の真冬でも、14畳のエアコン1台で温度ムラなく快適な空間のモデルハウスを実現することができました。 

6-1.

住み心地や光熱費の変化

住み心地や光熱費の変化

モデルハウスゆえ、現在人は住んでいないため、生活しての光熱費の算出は正確でないと考えています。
しかし、オープンして多くのお客様がご来店いただき、

「信じられないくらい暖かい・・・」
「エアコン1台はうそでしょ?」
「家の性能でこんなに快適になるの?」

と驚きのコメントを頂いております。
私も毎日点検に伺っていますが、0℃でもエアコン設定温度22℃で1階室温22℃、2階21℃をキープ、加湿器1台で賤湿度45~50%をキープできています。

7

アイラシックホームの
長期優良住宅で実現する
理想の暮らしまとめ

弊社の長期優良住宅は、国が定める基準よりもさらに高いレベルを標準としています。
弊社の標準住宅性能値で、2025年GX志向住宅の認定を受けられますが、補助金を取りに行くことを目的としてその様な仕様にしたわけではありません。
弊社が所在している北陸で、お客様が快適に過ごすために必要な住宅性能値を、独自で決めていったことが結果としてこうなっただけです。

弊社の長期優良住宅は100年、3世代永く安全、安心、快適に過ごすことを可能とする住宅です。
自然災害や温暖化、エネルギー高騰問題と外部環境は厳しくなるばかりですが、その中でも家族が和やかに暮らせるすみかだと心から思っています。

7-1.

長期的なメリットと将来への投資価値

長期的なメリットと将来への投資価値

長期優良住宅は一般住宅と比較すると、住宅取得時のコストアップは必然のデメリットになります。
しかし、本当に100年、3代快適に暮らすことができる住宅であれば、そのコストはわずかなものになります。

長期的な目線が持てるかが重要なポイントです。

住宅所有者は税制優遇、地震保険の割引など経済的メリットがありますが、本当に恩恵を受けるのはご家族である2代目、3代目だと思います。

昨今、空き家問題は日本の大きな問題になっています。
この問題の根本は、今まで日本が住宅性能を無視して量産的に家を増やしてきたことに一因があると思います。
父母が苦労して建てた家が子供に「こんな家引き継ぎたくない」と言われる・・・
その集合体がこの空き家問題かと考えます。
子や孫に「この家を引き継ぎたい」と言われるか、「この家はいらない」と言われるかは雲泥の差です。

引き継ぐ家族がいない場合で売却するとしても、長期優良住宅の場合では一般住宅と比較すると、必ず査定の際、資産価値は高くなります。

物価高の現在では良質な中古物件はますます価値が高くなると思われます。

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長期優良住宅モデルハウス見学会のご案内

長期優良住宅モデルハウス見学会のご案内

弊社アイラシックホームが考える長期優良住宅について、とてもとても長い文章にもかかわらず、最後までお読みいただきありがとうございます。
長い文章でどこまでご理解いただけたのだろうかという想いもあり、

「百聞は一見にしかず」

長期優良住宅の快適さを実際に体験してみませんか?
弊社モデルハウスでは、随時、見学会を募集しています。

体感されることで、家づくりに対する気付きや新たな発見が必ずあります。
真冬や真夏の季節であれば、特にたくさん手にれられることでしょう。
ぜひ、モデルハウス見学会にご参加いただけます様、お待ち申し上げております。