2024.05.16

新築「住宅会社選び」と「お金」での注意点

マイホームを建てる方にとって、住宅価格が上がることへの不安は大きいと思います。
そして現在の価格上昇期には「住宅会社選び」と「支払うお金」について注意してほしいポイントがあります。

これまでのやり方のように、いくつかの会社の施工例を見て建てたい家のプランと見積もりを出してもらい、それらを比較して良さそうな会社を一つ選ぶという、一見、当たり前と思われるよくある進め方に大きな落とし穴が潜んでいるのです。

その落とし穴についてご存知な方は陥らないのですが、具体的な回避方法を知らず後から失敗に気づいて取り返しのつかないことになった・・・というご家族からのご相談もあります。
そこで絶対に家づくりで失敗しないように絶対におさえておくべきアドバイスをお伝えしますね。

物価上昇の背景

コロナ禍による物流の停滞や商材の減産、そこにウクライナ危機が重なり、さらに米国の金融引き締め策による金利上昇などに伴い、日本の物価がどんどん上昇しています。
日々の買い物のなかでも、ガソリン価格をはじめ多くの日用品の価格が上がっていることを皆様実感していると思います。

建築資材におきましては、2021年3月にウッドショックが始まりその価格上昇は止まる気配はないです。木材のみならず全ての資材が価格上昇を続けています。
日本政府もインフレ政策を推し進めてきたこともあり、この流れはまだまだ続くものと思われますし、この先もとに戻ることは考えにくい状況です。

今、住宅業界で何が起きているの?

①倒産・自己破産の住宅会社・工務店が続出、また候補予備軍も

企業に対しての雇用調整助成金が終わり、またコロナ禍の時期に無利子で借りた融資返済もスタートし、かろうじて補助金で生き延びていた経営状態の悪い会社の倒産・廃業が出ています。

北陸でも今年に入って5件もの倒産がありました。その会社で契約し契約金を払った方や、すでに着工している最中で工事代金が80%支払った方などが、工事が進まないということで大きな問題になっています。

また、お引渡したばかりなのに今後の建物の保証が受けられない、無料でやってもらうべきアフター点検や不具合に対する工事なども別の建築会社を新たに探して有償で依頼しなければならないという大きな被害にあっている事実があります。

家づくりを開始すると、その会社の作っている家は注意深く見るのに、財務が安定している良い会社であるかどうかを気にする方としない方がおられます。

アフターが重要と言いながら、その会社が自ら存続するための体制をとっているか?を見極めることもなく、デザイン、おしゃれさや金額、仕様などのカタログやネット情報をうのみにして家を建て始めたために大変な被害にあってしまうリスクが高まっています。

もちろん、経営の危ない会社は「自分の会社はつぶれるかも・・・」なんて言うわけがありません。
建築会社の見極めがとても重要になります。

住宅会社を選ぶうえで絶対に大切なこと

①選ぼうとしている住宅会社の決算書の財務内容証明書をもらうこと。「貸借対照表」のコピーをもらう。

倒産予備軍の会社を選ばないためにも、工事契約する前に「貸借対照表」を出してもらってください。まず「貸借対照表をきちんと提示することができる会社かどうか」が重要です。

打合せ中、工事中、引渡が終わった後から「契約した会社が倒産した!」なんてあってはいけません。信じてくれたお客様を見捨ててその住宅会社が倒産することは、あなたの責任ではないですが、そのような会社を選んでしまったことはすべてあなたの自己責任なのです。

しかし、会社の経営を明らかにする「貸借対照表」を自ら率先して提示する工務店や住宅会社はほとんどないと思います。都合の悪いものは見せたくないですよね。だからこそ、あなたは、「貸借対照表のコピーを欲しい」と言わなくてはいけません。まずはコピーをくれるかということでその会社の誠実さを見極めることができます。

②住宅会社自らが入るべき「完成保証に入っているか?」と聞く

工事中に住宅会社が倒産してしまった場合、信頼してくれたお施主様にご迷惑をおかけすると考えている経営者は、具体的な対策として「完成保証」に加入しています。

完成保証とは万が一会社が倒産してしまっても、完成保証に加算している別の会社が工事やアフターメンテナンスを引き継いでくれる仕組みです。

完成保証を運営している保証会社は、加入したい会社の経営状況を細かくチェックし、さらに毎年の更新時にも経営指標を確認し、倒産のリスクがない会社に「完成保証」をつけます。

もし、あなたが選んだ会社が自ら「完成保証」に入っいない、または入ることができない場合、倒産した場合の被害はすべてあなたが背負うことになります。誰も守ってくれません。

だからこそ、住宅会社選びには必ず「あなたの会社は完成保証に入っていますか?」という質問をあなたから言わなくてはいけません。

まとめ

家づくりは、ご家族の一生での最大のイベントで最大のお買い物です。

どこで建ててもらうかということになるとその住宅会社の経営を聞くことは重要になります。

ぜひ「恐縮ですが、経営は大丈夫ですか?」と聞いてみてください。

そのあとで、貸借対照表の話をしてみたらいかがでしょうか。