皆様、こんにちは。
弊社は石川県小松市を拠点に、小松市・能美市・加賀市を中心に
「全棟気密検査実施、断熱性能UA値=0.34W/(㎡・K)以下、
気密性C値=0.1c㎡/㎡、耐震等級3の住宅」を
設計・施工させていただいている小さな工務店です。
「GX住宅補助金が始まったらしい」 「高断熱の家を建てれば補助金がもらえるんでしょ?」
最近、家づくりを検討されるお客様の間でも、こんな声が聞かれるようになってきました。
たしかに、GX(グリーントランスフォーメーション)住宅補助金は、断熱性能や再生可能エネルギーの導入を評価し、条件を満たした住宅に対して補助金が出る制度です。しかし、この制度の本当の目的は、「高性能な家を建てること」そのものではありません。

GX住宅の本当の目的とは?
GX住宅の目的は、あくまで日本全体のCO₂排出量を削減すること。言い換えれば、住宅という”暮らしの場”を通じて、エネルギーの自立と節約を実現するトータルな設計が求められているのです。
ですから、ただ断熱材を分厚くしただけ、太陽光をつけただけでは本来の意味でのGX住宅とは言えません。むしろ、「どんな暮らしがそこにあるのか?」が重要なのです。
- 冬、1台のエアコンで家中がぽかぽか
- 夏は強い日差しを遮り、エアコンの効きも良い
- 雨が続く時期でも、洗濯物がカラッと乾くランドリールーム
- 太陽光でつくった電気を効率よく使えるシステム設計
こうした”実際の暮らし”が豊かになることこそが、GX住宅の真のゴールです。

真剣に取り組んできた工務店にとって、GX住宅は「追い風」
私たちのように、省エネや断熱、パッシブ設計、創エネ(太陽光発電)といった分野に長年真剣に取り組んできた工務店にとって、このGX住宅補助金はようやく訪れた“追い風”でもあります。
これまで本気で取り組んできたからこそ、補助金の対象要件であるBELS評価やZEH基準も、自然とクリアできる内容が標準になっている。そして、何より「数字だけを整えるのではなく、実際に住むご家族の体感を大切にしている」ことが、GX住宅と非常に相性が良いのです。
しかしその一方で、心配な流れも出てきています。
「補助金を取るためだけ」の家づくりが生み出すリスク
GX補助金を活用するために、普段使わない建材を使ったり、気密処理を簡略化したりする例も出始めています。
- 断熱材の素材を変えて、性能値だけクリア
- コストを合わせるために気密施工を省略
- 普段扱っていない高性能設備を急に導入
たとえ補助金をもらえたとしても、そうした”帳尻合わせ”では、住んでからの快適性やランニングコストで苦労するケースが多く見られます。
- 冬なのに足元が冷える
- 夏の2階がどうしても暑い
- 換気がうまくいかず、湿気がこもる
- 結露でカビが発生しやすい
こうした問題が出るのは、設計・施工段階で「性能の本質」を理解せずに、数字だけを整えてしまった結果です。
本物の高性能住宅は「見えない部分」にこそ、価値がある
本当に快適な住宅は、単にUA値やC値といった性能値だけでは語れません。
- 数字に表れない“体感温度”

- 自然の光と風を活かした間取り(パッシブ設計)

- 換気・断熱・気密のバランスを取った設計
- 素材の性質を理解した断熱気密施工
このような“見えないけれど確かな違い”を丁寧に積み重ねた家が、10年後、20年後にも「建ててよかった」と思える家になるのです。
私たちはGX補助金を、そうした”ご家族にとって本当に価値のある家”を実現するための追い風として使っていただきたいと考えています。
まとめ:補助金ありきではなく、暮らしありきで考える

GX住宅補助金は、確かに魅力的な制度です。 でも、それは「より良い暮らし」を本気で考える人に対して、国が「応援してくれる制度」にすぎません。
補助金が目的になってしまうと、暮らしの本質からは遠ざかってしまいます。
ぜひ、こう問いかけてください。
- この断熱材、本当に安心して長く使える?
- この気密施工、ちゃんと実績がある?
- この家は、10年後も快適に暮らせる?
未来に誇れる家づくりのために。 机上の空論ではない、本物のエコ住宅の価値を、これからも私たちは丁寧にお伝えしていきます。