震度7でも倒壊しない耐震住宅の基準と地盤・設計・施工について

石川県は地震活動が活発な地域であり、特に能登半島では過去に大規模な地震が複数回発生しています。

2024年元日には震度7を観測し、甚大な被害が報告されました。

この地震では、全壊家屋は6,425棟にのぼり、死者は412人(うち災害関連死者185人)を記録しています。

石川県内の木造住宅は、耐震性に関して、いくつかの課題を抱えています。特に1981年以前に建てられた旧耐震基準の住宅は、感度6以上の揺れに耐えることが難しいとされています。

2024年元日の能登半島地震では、新耐震基準導入後に建てられた住宅でも、全壊した事例が報告されています。

これは、群発地震に対する耐火や施工の質、地盤の状況などが影響していると考えられます。

石川県では、住宅の耐震化を促進するため、耐震診断や耐震改修に対する補助制度を設けています。特に、1981年以前に建てられた住宅に対しては、定額180万円の耐震改修補助が提供されています。

また、県と市町村が連携し、住宅の耐震化の普及啓発を取り組む「いしかわ住宅耐震ネットワーク協議会」を設立し、耐震化に取り組む事業者のリストを公開しています。

しかし、これらの抜本的な解決策はなく、耐震化率の向上は課題となっています。

特に、古い木造住宅の耐震性向上が急務であり、住民の防災意識の向上とともに、さらなる対策が求められています。

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耐震等級とは何か?
その定義と区別について

耐震等級という言葉をご存知かと思いますが、簡単に言うと建物が地震に耐える基準の事になります。

1-1.

耐震等級の基本的な定義と3つの等級の違い

耐震等級は1から3まであり、2000年の建築基準法に基づいて、新築住宅には最低限の耐震等級1が義務付けられています。
耐震等級2は、等級1に比べて約1.25倍の耐震性を持ち、学校や病院などの避難施設と同等の強度を誇ります。
さらに上をいく耐震等級3は、等級1に比べ1.5倍の強度があり、消防署や警察署といった緊急時の基盤施設に匹敵します。

耐震等級のレベル
1-2.

各等級が示す耐震性能の具体的な内容

2016年4月に発生した熊本地震では、震度7の地震が2度観測され、一部損壊を含めれば、19万棟の建物被害がありました。
その熊本地震におけるデータを見ると、耐震等級による建物の被害状況には明確な違いがありました。

耐震等級1を満たす住宅は、それ以前の基準に則って建てられたものと比べて被害率が低く、等級3の住宅ではほとんど被害が確認されなかったのです。

このことから、耐震等級3での住宅建築は、家族と家の安全を確保する上で有効であるといえます。

建築業界でよく聞く「人を守るだけなら耐震等級1、人も建物も守るなら耐震等級3」という言葉がありますが、しっかり裏付けされた言葉の様です。

耐震等級には認定が必要

耐震等級2以上を実現するためには、構造設計士の計算と住宅性能評価機関の認定が不可欠です。 「耐震等級〇相当」と表現されている場合、これは構造計算と認定を受けていないので、あくまでも耐震等級1であるという点にご注意ください。

耐震住宅の全体像を理解するため、次章ではそのメリットとデメリットを掘り下げていきます。

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耐震等級の必要性:
高い等級を選ぶメリットとデメリット

耐震住宅を取り入れる際には、メリットもあればデメリットもあります。
デメリットについては、「耐震性を高めて人も建物も守るための投資」と捉えることが大切と考えています。

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耐震住宅のデメリット

耐震住宅のデメリット

最も顕著なデメリットはコストの増加です。
高い耐震性能を持たせるためには、専門的な構造計算が必要となり、それに伴う費用が発生します。 耐震等級を高めるために使用する部材も耐震等級1に比べて多くなり、それによりコストが上昇します。
基礎鉄筋、ホールダウン、柱、筋交い、構造用合板などの部材がこれに該当します。

特に、北陸のような積雪地域では、積雪荷重を考慮したより強固な構造が必要になるため、建築コストはさらに高くなります。
「雪ぐらいでそんなに変わるの?」と思うかもしれませんが、20坪の屋根に1.5メートルの積雪があれば、その重さは約45トンにもなるため、この重量を支える構造にはそれ相応の強度が求められます。
想像できない気が遠くなる重さですよね?

また、耐震性を高めるための構造的要件によっては、間取りに一定の制限が発生する可能性があります。
例えば、広いLDK空間を作るためには、強度確保のために追加の壁や柱が必要になることもあります。これにより、デザインの自由度が影響を受ける場合があります。

しかし、これらのデメリットは、地震という予期せぬ災害から家族と家を守るための必要な措置ととらえていくことが必要です。

2-2.

耐震住宅のメリット

耐震住宅のメリット

耐震住宅が提供する主要なメリットは、「安全性」「安心感」です。
これは、過去の熊本地震や能登半島地震の事例を見ても明らかです。
これらの地震では、耐震住宅が最小限の被害にとどまり、家屋の安全と住民の命を守る役割を果たしました。

2024年元旦に発生した能登半島地震でも分かりましたが、建物が半壊以上の損害ランクの場合、地震保険から支払われる保険金で修繕費はすべて賄うことはできず、費用負担は発生します。
地震後修繕することよりも、耐震住宅で備えをしていた方が、確実に割安に済みます。

また、地震保険における割引も大きな利点です。
耐震等級が高い家は、保険料が大幅に割引されることがあり、耐震等級2では30%、耐震等級3では50%の割引を受けることができます。 これは、長期的な住宅のコストを考慮すると、非常に有益な節約につながります。

次に、住宅ローンの金利に関してもメリットがあります。
耐震性が高い住宅は金利優遇を受けることができ、特に固定金利フラット35Sを利用する場合、金利が0.25~0.5%低くなることもあります。

さらに、高い住宅性能を持つ耐震住宅は、資産価値の減少が遅いという利点もあります。
日本では住宅の価値は「20年で0円」という扱いになりますが、耐震性能が高い住宅は、その傾向が緩やかになります。 国もこのような性能の高い住宅を支援する政策を推進しています。

これらの要点を踏まえると耐震住宅への投資は、将来的な災害からの保護、経済的な節約、そして不動産としての価値維持のために非常に賢明な選択です。

これらのメリット・デメリットもふまえ、アイラシックホームがおすすめする耐震住宅について、この後ご案内します。

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耐震住宅の設計時に
考慮すべきポイント

アイラシックホームにおいては、耐震性能を家造りの根幹に据えています。
私たちにとって、お客様の「安全と安心」が最優先であり、その上に快適性や経済性が成り立つと考えております。

3-1.

耐震性を高めるためのスーパーウォール工法

アイラシックホームでは、耐震性能を高めるため、スーパーウォール工法を用いた建築を採用しています。
一般的な在来工法では、柱や梁、筋交いを中心に骨組みをする「点と線」で支えている構造になりますが、スーパーウォール工法によるモノコック構造は、壁・床・天井を「面」で取り囲み一体化させ、家全体を強固な箱のように囲むことで、外部からの力に対して接合部にストレスが集中することなく、力を全体に分散させ、歪み(くるい)に強さを発揮します。

これは、地震や台風などの自然災害に対する強さを向上させるのに重要です。 住宅の耐震性能を高めるためには、体力壁をバランスよく配置することが大変重要になってきます。

スーパーウォールパネルは、高耐力の構造用パーティクルボードと断熱材を一体化し、壁倍率4.3倍を作り出せるため、建物に効率よく耐力壁を配置することができ、建物の耐震性能を最大限に高めます。

壁倍率とは、建築基準法で定められた壁(耐震壁)の強さをあらわす数値です。壁倍率が大きいほど、耐力が大きい証です。

3-2.

耐震性を高めるためのシンプル形状

また、私たちは住宅の基本設計において、可能な限り正方形に近いシンプルな形状を推奨しています。
これにより、壁にかかる力が均等になり、より耐震性の高い構造を実現できるからです。
凸凹な家でも耐震等級3は取得できますが、正方形に近い家の方がコストを少なく耐震等級3を取得しやすくできます。

凹凸な家のイメージ
凹凸な家のイメージ画像
正方形に近いシンプルな家のイメージ
正方形に近いシンプルな家のイメージ画像
3-3.

耐震性を高めるための屋根重量の工夫

加えて、軽量かつ強度のある屋根材の選択にも注力しており、多くのお客様が太陽光発電システムを導入されている現状を踏まえ、ガルバニウム鋼板の屋根を提案しています。
瓦の約1/10の重さで、耐震性の向上に寄与するだけでなく、その耐久性も高いためです。

ガルバニウム鋼板の屋根の画像ガルバニウム鋼板の屋根
3-4.

耐震性を高めるための間取り設計の工夫

上記以外で耐震性を高めるための弊社の間取りの工夫としては「柱の間隔は4m以下にする」ということです。
木造住宅の「柱割り」は尺モジュールでいう0.5間(910mm)の間隔で柱を配置されることが基本になります。
910mmの間隔で柱が配置できない場合は1間(1,820mm)に間隔を広げることが可能で、弊社では最大4mを目安としています。理由は水平構面となる梁の一般的な長さが「3~4m」ということです。
それ以上の長さになると金物などを利用してつないでいきます。その際、つなぎ面の下部には支えるための柱や構造上重要な役割を持つ耐力壁が必要になります。

耐震性の高くない家の特徴

昔に建築された和室がつながる「田の字」のお家を目にしたことがあると思います。これらのお家に使われる梁や柱は大変大きく立派です。
しかし、柱間隔4mを超える空間が多く、耐震性は決して高くはありません。

地震で倒壊した家屋地震で倒壊した家屋

能登地震で倒壊した建物の多くは屋根が瓦で頭が重く、これらを支える耐力壁が少なかったことが一つの要因であったように感じられます。
空間が広くなればなるほど、耐力壁は少なくなっていくため、ルールを設けることは非常に重要です。

もう一つ、耐震性を高めるために重要なことは「直下率」です。

直下率とは

直下率とは1階と2階の上下階において柱や壁の位置がそろっている割合のことを言います。つまり、柱や壁が上下階でバラバラでなく、繋がっている状態が多いほど耐震性が上がります。
割合としては直下率は50%が望ましいです。

弊社では直下率を上げるためには上下の窓の幅の統一を行っております。そうすることで、柱の直下率を上げると共に、外観の美的要素も上がる効果があります。

直下率とは

また、余計な窓はつけないことも大切です。
弊社では室温環境と整える観点からも東西面には窓の数は少なく、また小さくご提案させて頂きます。
窓が最も熱移動が起こります。夏の強い西日や東日から建物を守ることができると共に、直下率を上げることができます。

窓は最小限に
3-5.

開放的な空間設計と耐震性のバランス

弊社では「日射取得や部屋間の温度差をなくす」という目的で、吹抜があるプラン設計をご提案させて頂くことが多くあります。

結果的に完成された住宅は快適さはもちろん、プラス開放感が得られるため、お客様からは大変喜ばれます。
一方、「吹抜がある家は耐震性が低くなるのでは?」というご質問を頂くことがあります。

結論から言えば、吹抜がある家は耐震性低くなる可能性があります。

吹抜がある家

水平構面と耐力壁

耐震に重要な要素として「水平構面」「耐力壁」いうワードがあります。

水平構面とは、床や屋根といった横向きの構造面で、建物の一体性を高める上で重要な役割となります。

耐力壁とは、地震や風圧などの水平方向に耐えるための構造力学上重要な役割を担う壁になります。

この水平構面と耐力壁のバランスが良ければ、横方向に生じる地震の揺れを縦方向の部材(柱や筋交いなどの壁)に伝達できるため、縦揺れだけでなく横揺れにも強い家になります。

水平構面と耐力壁のバランス

吹抜を設けるということは、水平構面としての働きを示す上部の床や耐力壁の役割を示す柱や壁を少なくすることにつながるため、耐震性が低くなる可能性があるということになります。

弊社では、吹抜で少なくなった水平構面は構造計算を基に、屋根裏などに構造用合板を貼ったり、梁なども寸法を大きくしたり、強度の高い部材を使用することで水平構面を強化しています。
また耐力壁は、建物の外周部の外面すべてに9mmのパーティクルボードを貼るため、壁倍率を2.5~4.3倍で確保することができます。

このようにして、水平構面と耐力壁をバランスよく設ければ、吹抜がある開放的な住宅でも耐震性は確保することが十分可能になります。

3-6.

耐震住宅・耐震基準に必要な制震性

アイラシックホームは、耐震等級3の住宅を基本としてお客様に推奨していますが、私たちはこれだけでは不十分と考えています。
最近の地震は余震が続く傾向にあり、過去に起こった熊本地震や能登半島地震、そして台湾地震など、余震が長期的に続く事例が多いためです。
このような状況を踏まえ、弊社は「耐震」に加えて「制震」が必要不可欠と考えています。

制震は、地震による建物の揺れを吸収、揺れ幅を小さくし、建物本体のダメージを低減する技術です。
「制震」ではダンパーが有名ですが、弊社では制震テープを採用しております。

制震テープとは

制震テープは、元々高層ビル用に開発された高性能な粘弾性体を使用したもので、耐用年数が110年を超え、環境にも強いという利点と実績があります。
住宅全面にこの制震テープを施工することで、家そのものが制震構造となり、「耐震+制震」の住宅にすることが可能になります。

下記の動画では、制震テープの有り・無しで揺れに対する実験を行っている映像をご覧になれます。

制震テープを動画で詳しく見る

※外部サイト(YouTube)に移動します。

この「耐震+制震」構造により、大きな地震やその後に継続する余震に対しても、耐えることができると考えております。

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液状化現象とは?
石川県におけるリスクと対策

住宅の耐震性能と同様に、地盤の強度も非常に重要です。
建物が「耐震等級3+制震構造」など、いかに耐震性を備えていたとしても、基礎となる地盤が不安定だと液状化現象により建物は倒壊するか、大きく傾くリスクがあります。

4-1.

液状化のメカニズムと発生条件

そもそも「地盤が弱い」とはどういう意味でしょう?

「地盤が弱い=地盤が柔らかい」と言えます。
地盤が弱い、すなわち地盤が柔らかい場合、大地震の際に地下水を含む砂地盤が液体のようになり、土地が沈下するとともに家は傾いてしまいます。

液状化した道路の写真液状化した道路
液状化して沈下するまでのイメージ画像

液状化しやすい地盤とは

液状化は、
50~60年前に造成された比較的新しい土地
もともと沼や池であった土地
自然堤防や旧河道や大河川の沿岸
など、水分を多く含む低地で特に起こりやすいと言われています。

液状化しやすい地盤図

液状化により傾いた住宅を修復するには、数百万円以上という莫大なコストがかかり、完全な修復が難しい場合もあります。
そのため、新しい土地を探す際には、地盤の強さを重要な選定基準に含めることを推奨します。

液状化リスクのある地盤を避けることは、長期的な安全と快適な居住のためには不可欠です。

4-2.

石川県液状変化マップの解説

液状化対策において最も大事なのは、「家を建てる場所は液状化する地盤を避ける」ことです。

その地域が地盤が弱いか強いか教えてくれるサイトはいくつかあります。

中でも国交省が用意している「重ねるハザードマップ」はおススメです。大量の情報を網羅している点では公的資料が一番良いです。

洪水・内水・土砂災害・高潮・津波などのさまざまな災害の発生する傾向を、地図上に重ねてくれます。
液状化の発生傾向図も確認することができ、発生傾向の強弱を色別に表してくれます。
紫や赤の地域になるほど液状化する可能性が高いと言えます。詳細が以下になります。

重ねるハザードマップ
地形区分に基づく液状化の発生傾向図

この資料の情報を基に、実際に訪問し被害の多い地域の地盤の強弱を検証したコラムを過去に書いているのでご覧ください。

4-3.

液状化対策としての地盤改良や基礎工法

「地盤改良工事=安心」とは限りません。ただ、改良工事現場では、重要な確認事項がいくつかあります。

  • 1
    現場に設計時とのズレが出ていないか
  • 2
    設計通りの施工が行われているか
  • 3
    施工過程に問題はないか
  • 4
    現場での新たな問題点は出ていないか
  • 5
    現場や作業員の安全対策は万全か

これらの確認事項を見過ごすと、改良体の先端が未到着の沈下事故や、改良体の効果不良による沈下事故になる可能性があります。

弊社では、改良工事会社とは別の第三者機関が「設計審査⇒施工報告書確認⇒地盤保証」を行い、安全性と妥当性を確保します。
完了後「地盤品質保証書」が発行され、万が一不同沈下が発生した場合には、最長20年間・最大5,000万円まで建物の損害等を賠償します。

4-4.

アイラシックホームの土地探しサポート

アイラシックホームは土地探しから一緒に考えます!

アイラシックホームでは、土地探しのサポートも提供しています。
不動産会社と連携して、建築的な観点から最適な土地選びのアドバイスを行っています。
また、既存の土地で地盤が弱く低地などの場合には、擁壁や高基礎などの解決策を提案し、必要に応じて信頼できる地盤改良会社と、最適な工法で地盤改良を行うことをお勧めしています。

これは地震や水害からのリスクを軽減し、お客様に長く安心して快適に生活して頂くために大切にしています。

5

石川県内の地震・液状化対策に
関する支援制度

5-1.

石川県が提供する住宅耐震化促進事業の詳細

石川県の被災宅地等復旧支援事業については、下記リンクからご覧ください。

石川県住宅耐震化促進事業については、下記リンクからご覧ください。

新たな情報が入り次第、コラムにてお伝えさせて頂きます。

5-2.

市町村ごとの補助金・助成金制度の紹介

6

長期優良住宅について

耐震等級3に加え、私たちの住宅業界では「長期優良住宅」の普及が注目されています。
長期優良住宅とは「長期にわたり良好な状態で使用するために措置が講じられた優良住宅」のことを言います。
長期優良住宅を弊社なり具体的にまとめると、「安全で快適な家をメンテナンスしやすくすることで、何代にも渡って住み続けることを可能にすると同時に、建物自体の資産価値の低下を防ぐ」となります。 

6-1.

長期優良住宅の主な認定基準

長期優良住宅の「主な認定基準」は、

  1. 耐震性
  2. 省エネルギー対策
  3. 維持管理・更新の容易性
  4. 劣化対策
  5. 住戸面積
  6. 居住環境
  7. 災害配慮
  8. 維持保全計画

などが含まれ、これらの基準を満たし、行政庁への申請を通じて認定が受けられます。

何代にも渡って住み続けられる長期優良住宅

また2022年10月より、長期優良住宅の制度改正が行われました。

改定前~2022年9月 改定後2022年10月~
耐震性のアイコン耐震性
耐震等級等級2以上
耐震等級等級3
省エネ性のアイコン省エネ性
断熱等性能等級等級4
断熱等性能等級等級5
一次エネルギー消費量等級等級6
メンテナンス性のアイコンメンテナンス性
維持管理対策等級等級3
耐久性のアイコン耐久性
劣化対策等級等級3

大きな変化としては、 【耐震性】耐震等級が2以上から3になったことと、【省エネ性】断熱等性能等級が4から5になったことに加え、「一次エネルギー消費量等級6」が追加となりました。

これは、住宅の耐震性と断熱性能をさらに上げなさいという国からの強いメッセージでもあります。

6-2.

長期優良住宅のメリット

長期優良のメリットは以下の4項目です。

  • 1

    住宅ローン控除
    長期優良住宅を選択することで住宅ローン控除が最大限になります。
    逆に一般住宅では2024年からは控除額0円になります。

新築住宅の住宅ローン控除の最大控除額
項目 2021年入居 2022年・2023年入居 2024年・2025年入居
認定長期優良住宅 500万円 455万円 409.5万円
ZEH対象 一般住宅 400万円 409.5万円 318.5万円
省エネ基準適合住宅 400万円 364万円 273万円
一般住宅 400万円 273万円(21万円×13年) 0円

※控除率:0.7% ※控除期間:13年 ※2023年12月時点のデータ

  • 2

    住宅ローンの金利引き下げ
    こちらは耐震等級3と同様で、フラット35Sの場合に金利引き下げ対象となります。

期間 プラン 引き下げ率
当初5年間 フラット35S(金利Aプラン)および維持保全型 年0.25%引き下げ
6年から10年目 フラット35S(金利Aプラン)および維持保全型 年0.5%引き下げ
  • 3

    その他の税制優遇
    固定資産税は1/2減額の減税措置が行われますが、一般住宅だと1~3年に対して、長期優良住宅では1~7年の減税期間となります。また不動産所得税の控除も、一般住宅だと1200万円に対して、長期優良住宅では100万円多い1300万円の控除額となります。

税種 一般住宅 長期優良住宅
固定資産税 減税期間 1~3年間 減税期間 1~7年間
不動産取得税 控除額 1,200万円 控除額 1,300万円
  • 4

    地震保険割引
    耐震等級3取得時と同様になります。

特典種類 特典内容
地震保険料割引 耐震等級2で30%、耐震等級3で50%割引

税制優遇の面から見ても、国はこれから建てる住宅は長期優良住宅にしてほしいと考えています。

長期優良住宅について

先ほども触れましたが、現在の日本の建物の不動産価値は「20年で0円」です。
欧米では逆に古い家ほど価値が上がり、高値で売買されます。これでは国富に差が出てくる一方です。
「人口が増えている」「構造が石造りで長持ち」「湿気の少ない気候」など、考え方や環境の違いはあるにせよ、これから建てる優良な住宅には、資産価値が上昇しないまでも下落は抑えていきたいと考えています。

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石川県で永く安心して
住み続けるために必要なこと

石川県は外部環境で言うと、他県と比較しても決して住みやすい地域だとは言い切れません。
2021年年間降水量は47都道府県でも最も多く、1位を記録しました。結果、冬場の日射取得などは太平洋側の地域に比べると不利になります。
また2023年8月には小松市で最高気温40.0℃の酷夏日を2度記録しています。冬場は毎年のように雪が振り、最低気温が-4℃~-5℃になることも。そして、2023年1月1日には能登半島地震が起こりました。今もなお被災地の方は大変なご苦労されている状況です。
石川県で永く安心して住み続けるためには、厳しい真夏真冬でも気持ちよく暮らせる快適性、しかも光熱費が抑えられる経済性、また繰り返しの大きな地震にも耐えうる耐震性、これらを備えた住まいづくりがこれからさらに大切になってきます。

7-1.

耐震等級と液状化対策の重要性の再確認

耐震等級と液状化対策の重要性の再確認

液状化対策の一番はやはり液状化する可能性がある地域では家を建てないということです。

それは一般の方もハザードマップからしっかり調べることが十分に可能です。

土地を決めるにあたっては、「住み育った地域だから」「親が土地を持っているから」「家族が近くに住んでいるから」などさまざまな状況があるとは思いますが、軟弱な地域かはしっかりと確認することが大切です。

そして、土地が決まって改良判定が出た際はしっかりとした施工管理と万が一の地盤保証を担保される必要があります。この基盤の上に耐震性の高い建物を建ててはじめて住まい手様は「安全・安心」が得られると考えます。

正方形に近い建物形状で水平構面と耐力壁のバランスが良い設計、屋根も軽ければ越したことはありません。また、長期優良住宅取得の条件が2022年10月以降、耐震等級2から耐震等級3に変更になったことを踏まえても、これから建てる家は耐震等級3は取得していきたいところです。

7-2.

将来を見据えた安全・安心な家づくりのご提案

石川県は現状上記のような外部環境ですが、これからさらに厳しくなると予想されています。

気温度上昇、スコールのような急な雨、局所的な大雪、県内でも多くある活断層など。この将来を見据えて弊社では、「断熱等級6以上」「耐震等級3」「ZEH」「長期優良」「パッシブデザイン」が担保できる住宅をお客様には積極的にご提案させて頂きます。

このことが、お客様にとって最も「安全・安心に永く住み続けられる」ことに必ずつながると考えているからです。

7-2.  将来を見据えた安全・安心な家づくりのご提案

現在、弊社のお客様お宅に定期メンテナンスで訪問させて頂くと、100%「快適に暮らせています」と嬉しいお言葉を頂けています。 
お客様のお子様ともお会いしますが、将来このお子様が「この家を引き継ぎたい」と親にいう日がくると嬉しいなと勝手に想像してワクワクしています。

そんな家づくりが結果的に環境や地域のためになると考えています。お子様が引き継ぎたいと思う家づくりをこれからも追求していく所存です。