2025.12.12

1年間の実測データから見えた「性能の本当の価値」

皆様、こんにちは。
弊社は石川県小松市を拠点に小松市,能美市,加賀市を中心に
「全棟気密検査実施 、 断熱性能UA値=0.34W/(㎡・K)以下 、気密性 C値=0.1c㎡/㎡、耐震等級3の住宅」を設計・施工させて頂いている小さな工務店です。

年末になり、この1年どうだったか振り返るなかで、電気代も振り返りました。
今回は、蓄電池ありとなし(断熱等級6と7の差もあると思います)の住宅の電気代を大公開します!

① なぜ「電気代」を公開するのか

「高性能な家は電気代が安い」
これは、家づくりの情報を集めている方なら、一度は聞いたことがある言葉ではないでしょうか。

けれど同時に、こんな疑問もよく聞きます。

  • 本当にそんなに違うの?
  • カタログの数字だけじゃ、正直よく分からない
  • 実際に住んだら、どのくらいの差が出るの?

多くの住宅会社が「性能値」を語りますが、
“住んでからの光熱費”を具体的な数字で公開している例は、実はほとんどありません。

そこで今回は、
私たちが実際に集計した 1年間の電気代データ をもとに、

  • UA値・C値・Q値の違いが
  • 暮らしの中でどんな差を生むのか

を、できるだけ分かりやすくお伝えしたいと思います。

これは「安さ自慢」でも「モデルハウス特有の話」でもありません。
これから家を建てる方が、後悔しない判断をするための材料です。

② 今回比較する2つの住宅について

今回比較するのは、どちらも 石川県小松市 に建つ住宅です。

  • 気候条件はほぼ同じ
  • どちらも太陽光発電を搭載
  • オール電化住宅

という前提条件をそろえたうえで、
「住宅性能の違いが電気代にどう影響するか」 を見ていきます。

比較するのは、次の2棟です。

③ スタッフ宅|性能と暮らしの条件

まずは、実際にスタッフが暮らしています。

■ 住宅データ

  • 建設地:石川県小松市
  • UA値:0.34
  • C値:0.1
  • Q値:1.13
  • 太陽光発電:あり

■ 暮らしの特徴

  • 一般的な4人家族
  • エアコンは我慢せず使用
  • 冬も「寒いから着込む」暮らしではない
  • 共働きで日中不在の時間もあり

この家は、
アイラシックホーム「高性能スマート住宅」の水準をしっかり満たしている家です。

断熱・気密ともに高く、
冬でも室温が安定しやすいため、

  • 朝起きたときの寒さが少ない
  • 脱衣室や廊下との温度差が小さい
  • エアコンの設定温度を極端に上げなくていい

といった特徴があります。

実際、この住宅の年間電気代は
おおよそ4万円前後 に収まっています。

「それでも十分すごい」と感じる方も多いはずです。

④ 性能を突き詰めたお家

次に、性能を突き詰めたお家です。弊社が今できる高気密高断熱のトップグレードです。

■ 住宅データ

  • 建設地:石川県小松市
  • UA値:0.19
  • C値:0.09
  • Q値:0.69
  • 太陽光発電:あり
  • 蓄電池:あり

数値を見て分かる通り、
性能をかなり突き詰めた住宅です。

特にUA値とQ値は、
アイラシックホームの高性能スマート住宅よりも、さらに一段上の水準。

特に、2025年上半期は、訪問者が多かったので、

  • 日中の在室時間が長い
  • 来場者の出入りがある
  • 扉の開閉回数も多い

という、実は電気代にとって不利な条件も含んでいます。

それでも、年間の電気代は
「電気代4万円の家」よりも さらに低い結果 になりました。

⑤ 1年間の電気代を比べてみた結果

今回集計したのは、
2024年12月〜2025年11月までの実際の電気代データです。

スタッフ宅(小松市)

  • 年間電気代収支:▲5万円
  • 月平均にすると:約▲4,200円
  • 太陽光発電あり
  • UA値0.34/C値0.1/Q値1.13

→ 1年間を通して、
電気を「買う」より「自家消費・発電」が上回る暮らし でした。

性能を突き詰めたお家(小松市)

  • 年間電気代収支:+1万円
  • 太陽光発電+蓄電池あり
  • UA値0.19/C値0.09/Q値0.69

→ 年間トータルで見ると、
電気代がかからないどころか、わずかにプラス という結果に。

この数字だけを見ると、
「どちらもすごい性能なのでは?」
と感じる方も多いと思います。

ですが、ここからが本題です。

⑥ 電気代の差を生んだ“本当の理由”

年間▲5万円と+1万円。
その差は 6万円

この差を生んだ理由は、
太陽光の有無だけではありません。

ポイントは、次の3つです。

1. UA値・Q値の違いが「熱の逃げ方」を変えている

  • スタッフ宅
     UA値0.34/Q値1.13
  • 性能を突き詰めたお家
     UA値0.19/Q値0.69

この差は、
冬に暖めた空気をどれだけ外に逃がさず、
夏の熱をどれだけ中に入れないか
の差です。

つまり、
同じエアコン1台でも
「効き続ける時間」がまったく違う のです。


2. 気密性能が“無駄な電気”を消している

両方ともC値は0.1前後と非常に高性能ですが、
モデルハウスはさらに細部まで気密を追い込んでいます。

その結果、

  • すき間風がほぼゼロ
  • 暖冷房の立ち上げが早い
  • ON時間が短くても快適

電気を使わなくても快適な時間が長い

という状態が生まれています。

3. 蓄電池の有無が「夜の電気代」に効いてくる

性能を突き詰めたお家は、
昼間の太陽光でつくった電気を
夜まで使える設計

一方、
スタッフ宅は
発電はしているものの、夜間は買電が発生します。

この「夜の積み重ね」が、
年間で見ると差になります。

⑦ 数字から見えてきた、後悔しない家づくり

ここで大切なのは、
どちらが「良い家」かを決めることではありません。

スタッフ宅も、
すでに「かなり優秀な住宅」です。

それでも差が出たのは、

  • 断熱性能をどこまで突き詰めるか
  • 初期投資とランニングコストをどう考えるか
  • 「光熱費ゼロ」にどこまで近づきたいか

という 価値観の違い です。

家づくりでよくある後悔は、

  • 建てたときは満足だった
  • でも、毎月の電気代を見るたびに気になる
  • もっと性能を上げておけばよかったかも…

という 「住んでから気づく後悔」

数字で見ることで、
その後悔を事前に防ぐことができます。

⑧ まとめ|性能は「住んでから」効いてくる

今回の比較でわかったことは、とてもシンプルです。

  • 高性能住宅は、
     住んでから毎年、静かに差を生み続ける
  • 電気代は「我慢」ではなく
     性能で下げるもの
  • 太陽光+断熱+気密+設備のバランスが重要

そして何より、

家は、完成した日がゴールではなく
暮らし始めてからがスタート

ということ。

電気代という「ごまかしのきかない数字」は、
家の性能を正直に映し出します。

これから家づくりを考える方にとって、
この実測データが
後悔しない判断材料 になれば幸いです。

※さらに細かい月々のデータが知りたい方は、家づくり教室や、見学会にお越しいただけると、資料をお見せ出来ます(^^)/