足元が寒い家は、高血圧になりやすい!
1月は、1年で最も寒い時期です。
家づくりを考えておられる方は、「温かい家」を一層心掛けたいものです。
特に高齢者や女性は室温が低いと血圧の上昇幅が大きいことがわかっています。
例えば、起床時の居間の室温が20℃から10℃低下すると、平均的な生活習慣の30歳男性の血圧が4.1(mmHg)上昇するのに対し、80歳は、10.3も上がったのです。
注目すべきは、80歳女性は、20℃の室温であれば、130で正常血圧範囲であったのに、室温低下によって146と“高血圧症”になってしまったのです。
女性や高齢者はたとえ普段は、高血圧症でなくても、室温によっては、高血圧症になる可能性に注意しなければいけません。
また、たとえ暖房によって室温が18℃にたもたれていたとしても、冷気は下にたまりやすく、足元付近が寒い可能性があります。
「“足元が寒い群”では、“そうでない群”と比べて1.5倍も高血圧で治療を受ける可能性が高くなる」と言われています。
つまり、断熱性能が悪い家でも暖房すれば上半身は、温かくなるが、それだけでは、足元が寒く高血圧症になるリスクを高めてしまうのです。
既存のお家の断熱を高めるには、カーテンを厚手のものにしたり、床につくぐらいの長さのものに替えたりするとよいでしょう。
また、カーペットを敷く場合に、床との間にアルミシートを挟めば、床下からの冷えが和らぎ、断熱性が高くなります。
もう一歩進んで“内窓”をつけたり、断熱改修工事ができるならそれが断熱性を高める最強です。
国土交通省の調査事業の幹事を務めておられる伊香賀教授によると“断熱改修工事をした群”は、“しなかった群”と比べて、工事後に平均して起床時の最高血圧が3.5mmHg、最低血圧が1.5mmHgと有意義に低下しました。
反対に寒い家に住んでいて悪くなるのは、血圧だけではないのです。
温かい家と比べて寒い家に住む人は、コレステロール値が2.6倍、悪玉コレステロール値は、1.6倍高くなり、心電図の異常所見も1.9倍多くみられます。
「断熱性の低い家は、室温の変化が激しく、それによって血管の拡張収縮が繰り返されて動脈硬化が進行しやすい」のです。
ということから新築、家づくりを考えておられる皆様、ご家族の健康をしっかり守ることができる魔法瓶のような高い断熱性で家の中の温度差が少ない暮らしをしましょう!