家づくりを始めようと思われている皆様のためのコラム
今回は、土地のお話しをさせてもらいます。
今までに、たとえ誰もが欲しい!と思う日当たりが良い南側道路の土地であったとしても、“日当たりは、バッチリ!”というメリットの裏には、意外とその日当たりの恩恵が受けられることが難しい・・・とか、土地の価格が割高かつ価格交渉が困難で早く決断しなければ、誰かに取られてしまうのでゆっくり考える時間がない・・・というデメリットが潜んでいることもお伝えしました。
すべての土地がこのようなメリットやデメリットを持っているのです。
これを逆に考えると、どんな土地でも設計の工夫やアイデア次第で、その土地のもつメリットを最大限に引き出すことも可能であるということです。
ですから、“高い土地=いい土地”、“安い土地=悪い土地”という固定概念にあまり気にすることなく資金計画で作った予算を意識して、その範囲内で土地探しをしていただければと思います。
まず1つ目です。
『いいなぁ~と思われた土地が見つかったときは、最低6回は、現地を見に行くこと』です。
ただいつでも見に行けばいいということではなく、ポイントはいつ見に行くことです。
“平日の朝・昼・夜”と“日曜日の朝・昼・夜”です。
平日の朝が大事な理由は、“日の入り方”はもちろんのこと、近隣の方たちの通勤・通学・ゴミ出しの状況などを見ることができるからです。
平日の午後に関しては、“日の入り方”ですね。
ここは、重要なことですね。
そして平日の夜が大切な理由は、“外灯があるかどうか?”を確認できるからです。
ここは、意外と見落としやすいところなのですが、大切なお子様の通学にかかわってくることなので、昼間だけでなく夜も見に行っていただければと思います。
また、これと同じように日曜日にも朝・昼・夜の3回現地を見に行ってくださいね。
なぜなら、平日と日曜日では人の行動は、全然違うからです。
多くの方が、土地を見に行くのは、日曜日の日中だけなのです。
これだけでは、環境や近隣の状況は、よくわからないのです。
ということから、平日と日曜日の両方の朝・昼・夜の近隣の状況や環境を見ていただくことで、より詳しくその土地を把握していただきたいと思います。
とにかく、後から後悔してしまう・・・ということを最大限に防ぐことができますよね。
続いては2つ目のポイントです。
『近所にどんな方が住んでいるか調べること』
ということについてお話しします。
もちろん、土地を調べるのは、不動産屋さんや住宅会社に任せるのではなく、ご自身で調べることが大切です。
なぜなら、自分が一生暮らしていくことになるからです。
しかし、多くの方は「時間がなかった。」
「不動産屋さんに聞いたら心配ないと言われたから大丈夫だと思った。」
といったような理由から、自分自身でリサーチをしないまま土地を買っている方が多いですね。
おそらくあなたもそうだと思いますが、
近所の方はいいかたかな?
浸水は大丈夫?
地震の時は大丈夫?
津波のリスクは?
学校までの通学路は安心?
スーパーや病院は?
町内会は?
など、心配なことはたくさんあると思います。
心配ごとを解消する1つに市役所や町役場のホームページで見ることのできる“ハザードマップ”があります。
過去の水災の状況、将来の災害予測、液化リスク、緊急時の避難場所、学校や病院施設の場所などを確認することができます。
これを見れば、その土地のことをたくさん知ることができます。
しかし、そこで一生暮らそうと思っているのならば、ただ“ハザードマップ”を見て安心するだけではなく、それをもとに、
近隣の方に過去に水災があった時の状況はどうだったのか?
最近多くなってきた集中豪雨の時や台風の時の状況はどうなのか?
大雪の除雪はどうなのか?
など生の情報を教えてもらうようにしたらいいですね。
3つ目のポイントは、
『住宅会社に、一緒に土地を見に行ってもらうこと』です。
その理由の1つは、「何も建っていない更地の土地だけを見ても、素人のあなたには、その土地の上にどのような家を建てることができるのか想像できないから」です。
ですから、建築会社の方と一緒に見に行き、あなたが望むようなお家を建てることができるのかということを、アドバイスしてもらうようにするといいですね。
さらに、土地を契約する前に実際にプランを描いてもらい、見積もりまで出してもらうようにすれば、より具体的に資金計画などのイメージができますよね。
2つ目の理由は、「土地以外にかかってくる別途費用が把握できないから」です。
以前にもお伝えしましたが、土地購入しようと思えばインターネットなどに掲載されている価格だけで購入することができないからです。
それ以外にも、その土地の状況によっていろいろな費用がかかってくるのです。
これらを素人のあなたでは、調べることは難しいでしょうし、不動産屋さんに具体的に聞いたとしても、あいまいな対応しかしてくれない可能性の方が高いでしょう。
ですので、住宅会社にしっかりと事前審査してもらうことをお勧めします。
なぜなら建築するにあたり、その土地がどういう状況になっているのかということは、住宅会社にとっては、とても重要なことですので。
以上の2点から、建築会社と一緒に土地探しをされることをお勧めします。
ただ、住宅会社ならどこでもいいのか?
というと、もちろんそうではありません、
あなたに無理のない資金計画をたててくれる住宅会社なのか?
住宅ローンに対する知識は豊富で銀行に丸投げしないか?
あなたが建てたいと願う家の予算を先に伝えてくれるのか?
建築にかかるお金を後出しせずに正直に話してくれるのか?
土地の調査や近隣の調査などを快くしてくれるのか?
といった条件を気持ちよく受け入れてくれる会社がいいと思います。
逆に言えば
資金計画もしないで、いきなり土地を探そうとする会社
先に土地を不動産屋さんで探してきてほしいという会社
住宅ローンを銀行に丸投げする会社
手当たり次第にたくさん土地情報を集めようとする会社
土地が見つかるまでプランを描いてくれない会社
など、注意していただければと思います。
次回は、「なぜこのような会社は、気を付けた方がいいのか?」
お話ししたいと思います。