2021.10.03

暖かい住宅には、基礎断熱工法

暖かい住宅をつくるのには、気密性が高い基礎断熱工法が最適です。

小松市で9月に上棟された新築も基礎断熱工法で施工しています。

 

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「基礎断熱」は、床下も室内空間のひとつと考えて、

基礎のコンクリート自体を断熱材で覆う施工方法です。

北海道の住宅で試行され、検証されて昭和50年代に寒冷地の施工技術として確立されました。

比較的新しい施工方法です。

建物の最下部の基礎に断熱材を設置してから熱の出入りを防ぐことで、

床下の温熱環境をコントロールするので、床下に断熱材を入れる「床断熱」に比べ、

気密性が高くなり、暖かい住宅をつくるのに最適です。

 

 

基礎断熱工法について知っておきたい3つのこと

●「基礎断熱」と「床断熱」の違い

●基礎断熱のメリット

●基礎断熱のデメリットと対策

 

 

「基礎断熱」と「床断熱」の違い 

「床暖熱」

住宅の1階部分の床下に断熱を敷き詰める。

風通しを良くするために床下換気口を設置する必要がある。

「基礎断熱」

床下ではなく、住宅の基礎立ち上がり部分に断熱材で覆う。

(参照:Instagram)

「基礎断熱」は、床断熱に比べ気密性を高めやすいので、結果、暖かい高性能住宅になります。

「床断熱」では、構造の根太との隙間や配管の貫通部の気密処理が必要に

なるので、気密性をあげることが難しいです。

それに比べ、「基礎断熱」は気密処理の必要な取り合い部が土台と基礎の隙間に限られるので

気密性が高めやすいのが、特徴です。

”気密性(C値)が高い=余分な冷気を防ぐことができる”ため、

その結果「基礎断熱」の方が暖かいのです。

 

「床断熱」と「基礎断熱」の違いがわかったので、

「基礎断熱」のメリット・デメリットについて見ましょう。

 

「基礎断熱」のメリット

1,気密性(C値)を確保しやすく暖かい家づくりができます。

・気密性が高い家づくりができるので、吹き抜けやリビング階段等のデザインができます。

・冬でも床下からの冷気がなくなるので快適に過ごせます。

 

2,床下全館空調システムや床下エアコン、熱交換型第1種換気システムが設置できます。

・熱交換型第1種換気システムや全館空調システムを検討される場合は、基礎断熱が必須になります。

 

3,基礎コンクリートの地熱利用で省エネ効果があります。

・冬場はコンクリートが室温や地熱の影響で蓄熱層となり、床下から温まります。

・「床暖熱」に比べ底冷えしないので、「暖房設備」は少ない稼働で省エネになります。

 

4,高い施工品質を確保できる。

・床下がオープンな状態で施工できるので、施工状態も確認しやすく、

気密を高めるためのコーキング工事もしやすく気密性を高めることができる。

 

5,水道管の凍結を防ぐことができる。

・「基礎断熱」は室内の温度差が少ないため、床下にある給排水管が、凍結する心配がありません。

 

「基礎断熱」のデメリット

 

1,シロアリが基礎内に入ってくる場合がある。

〈しかし対策をすることでシロアリの侵入を防ぐことができます。〉

・第1種換気システムによって空気を吐き出すことで、シロアリが発生しにくくなります。

・防蟻処理をしっかり行う

 

2,完成後、1~2年ほどカビが生えやすい。

〈カビの発生を防ぐには〉

・第1種換気システムを設置して、室内と床下の空気を対流させる。

・住宅で義務付けされている換気を第1種換気システムで換気経路で設計する。

また、建築初年度は、基礎コンクリート影響で湿度が高くなる傾向になりますが、

半年から2年経過すれば、水分が抜けて安定してきます。

 

まとめ

「基礎断熱」を検討する際は、冷暖房設備や24時間換気システムについても合わせ検討されるのがおすすめです。

せっかく高性能住宅を新築されても冷暖房設備が伴っていないと暖かい家や省エネなどの効果が薄れてしまします。

逆に冷暖房設備にこだわっても基礎となる断熱が中途半端だとコストだけがかかってしまい

高性能・省エネな効力を得られなくなります。

特に暖かい家にこだわられるなら、気密・断熱性を高める必要があるので、「基礎断熱」を導入するようにしましょう。