2023.06.09

ローコスト住宅について考えてみる

ちまたによく聞く「ローコスト住宅」。その名の通り「一般的な注文住宅に比べて安価に建てられる住宅」のことを言います。明確な定義はありませんが,一般的には本体価格が1000万円台で収まる住宅のことをいいます。

建物を安くする手段

ではどのように建物を安くするのでしょうか?

①材料費である建材や住宅設備の質をある程度統一する

②完全注文住宅ではなく,「規格型住宅」にすることでお客様打合せや設計作業の時間短縮を行う。また現場作業をパターン化して工期を短縮する

③広告宣伝費などの諸経費を限定的にして費用を抑える

ことが挙げられます。

ローコスト住宅で後悔しないための注意点

ローコスト住宅は規格型住宅の形式を採用している場合が多いため,お客様がこだわりたい部分はオプションとして追加や変更などができます。ただ,様々な仕様の変更やオプションを繰り返すと,予定以上の費用がかかる場合があります。

ローコスト住宅はもともと設備仕様や間取りなどは自由設計ができる注文住宅と比較すると自由度は低いです。それが,ローコスト住宅でオプション追加や変更を繰り返すと,自由設計ができる注文住宅と変わらない本体価格になってしまうというよくある失敗のケースです。

弊社のお客様から聞いた実際の話

※イメージチラシ

弊社のお客様が実際にあるローコストハウスメーカーさんに伺った話です。

「768万円の建売住宅販売会!!」といチラシを見て,見学会に参加されたとのこと。

時期は0℃以下の雪が積もる真冬だったそうで,中に入るとエアコン設定は暖房27℃。頭から上は暖かい…しかし,下はかなり底冷えの状態だったようです。

お話を聞くだけでも断熱・気密性能は相当低そうです…

そのハウスメーカーさんの説明がひと段落して,手書きのある資料が渡されました。

※実物の資料

営業マン「この住宅購入するには3300万円かかります」

お客様「えっ!?そんなに?」

土地や諸経費が別にかかるのは理解できます。しかし,建物本体価格が1850万円+オプション500万円(小さくOP500万円と鉛筆で書いてあります)=合計2350万円…

このお客様は「真冬でも寒くない家が欲しい」と考えていらっしゃったので,結局,断熱・気密性が低い家を2350万円で購入する訳はなく,弊社とご縁頂き建築させて頂くことになりました。

そして,後々このお話をしてくださいました。

住宅ローン+光熱費が毎月の支払い

住宅購入する際に,やはり一番気になるのは購入価格だと思います。「購入金額が〇〇〇〇万円なら月々の返済は〇万円か」と考えるのが普通だと思います。

しかし,毎月支払っていて意外と忘れがちなのが光熱費です。住宅購入前には「総額から得られる毎月の住宅ローン額」とは別に毎月の光熱費が分かることが大切です。

「毎月の光熱費なんて建てる前から分かるの?」って思った方も多いと思います。

弊社はそれが可能です。

建築プランを基に外皮性能を割り出し,実際かかる光熱費をシュミレーションしていきます。

以下が実際の当時のお客様の資料です。

この資料では一般の性能住宅とご提案住宅と年間の水道光熱費をシュミレーションしていきます。

こちらのお客様は年間光熱費が53,730円と予想されています。先日訪問して,1年間の実際の光熱費をまとめてみたところ42,000円でした。燃料調整費が上がる前のシュミレーションで,燃料調整費が上がった後の生活にも関わらず,より経済的に暮らして頂いています。

それにしても冬場には最低毎月40,000円かかるこのご時世に年間42,000円は驚きです….

建てる住宅によって,光熱費がここまで変わるのであれば,しっかりこれを含めた毎月の支払いを考えていく必要があります。

また,この資料ではライフサイクルシュミレーションとして35年にかかる光熱費,水道費,売電自家消費,修繕費も予想してくれます。建てる住宅によって,何十年後にかかる修繕費も増減していくことになります。

お客様のお話も踏まえて

光熱費を抑えるためには住宅性能である断熱性能・気密性能を上げていくことは不可欠です。最初の価格を安く見せるローコストハウスメーカーさんは仕上がってからでは見えない壁の中の断熱・気密性能はほとんどが劣っていると考えていいと思います。これでは購入して住んでみて後から気づいて後悔するしかありません。

まとめ

今回はローコスト住宅から今後の家づくりを進めていく上で大切な考え方について書いていきました。目先だけの価格ありきで住宅購入を進めていくと失敗するリスクは高まると私は思います。住宅購入費用はもちろんのこと毎月の光熱費や何十年後にかかる修繕費も考えて家づくりを考えていくことが大切です。これらを踏まえ,ご家族が快適・健康で毎日幸せに暮らせる家になればと思います。

「住宅を購入することでどういった暮らしを実現したいか」をご家族で共有することがブレない芯を持つことになり,結果家づくりが成功するのだと改めて感じた次第です。

皆様、こんにちわ。

私たちアイラシックホームは石川県小松市を拠点に小松市,能美市,加賀市を中心に

「全棟気密検査実施 、 断熱性能UA値=0.34W/(㎡・K)以下 、気密性 C値=0.1c㎡/㎡、耐震等級3の住宅」を設計・施工させて頂いている工務店です。

住宅を建てるにあたって疑問なことがあればなんなりとお気軽に「お問合せフォーム」からご質問ください。

本日も最後までお読みくださりありがとうございます。