2023.10.13

水害対策について

皆様、こんにちは、

弊社は石川県小松市を拠点に小松市,能美市,加賀市を中心に
「全棟気密検査実施 、 断熱性能UA値=0.34W/(㎡・K)以下 、気密性 C値=0.1c㎡/㎡、耐震等級3の住宅」を設計・施工させて頂いている小さな工務店です。

今年は石川県小松市は浸水並みの大雨は今のところなく,ホッとしているところです。

しかし,天候が雨なるとスコールのように急激に降ることが多くなったのはここ何年かの

変わらずの特徴です。

となると,これから土地を購入する方,住宅を建てる方々の今も最も一番気になるのは

「水害」なのかもしれません。

2022年8月小松市では線状降水帯の影響により,各地の河川が氾濫し,

1000件以上の建物の浸水被害が出ました。

現在,市内の土木業者さんが堤防等の改修作業が進んでいる状況です。

石川県小松市のハザードマップ

ちなみに以下が石川県小松市のハザードマップです。

ハザードマップをこのように見てみると,小松市は山手側,海側,南部地域を除いては全体的に浸水被害の

可能性が高い地域が多いです。ほぼ,薄いブルーの箇所(0.5~3.0m 1階部分が浸水)になっています。

濃いブルーの箇所(3.0~5.0m 2階部分が浸水)は昨年浸水被害が多い地域だったことを考えると,

この資料の正確性が理解できます。

ちなみに,この資料の作られた基準は以下の通りです。

国・県が公表した1000年に1回程度で降る大雨により各河川が氾濫した場合の想定基準で

ハザードマップは作られているようです。

昨年の浸水被害があった降水量は251mm/24時間だったことを考えると,更に厳しい状況の基準想定になります。

やはり,国もさらなる最悪のケースを考えているのかもしれません。

土地を現在探している方

新築を検討中で土地から探してる方は当たり前ですが,できるだけ浸水深の低い地域を検討する

ことが大切になってきます。それでも,さまざまな条件で低い地域を選ばれる方はよくその認識を

持っていることは大切です。

土地が決まっている方

新築を検討中で土地が決まっている方の中で浸水深の低い地域のケースもあると考えます。

理由は土地の相続や親族の関係などさまざまあると思います。

その場合は建築会社側での対処しかありません。

土地に面している道路よりも可能な限り高くGL(グランドライン)を設定して,

基礎高を高くしてFL(フロアレベル)基準上げることです。

実は昨年の浸水の際,同じ地域なのに浸水しない住宅と浸水した住宅に別れました。

その原因を調べた方がいらっしゃって,お話を伺いました。

その原因はやはり「GLラインと基礎高さ」にあったとのことです。

一般的な基礎の高さが以下です。

基礎の高さは建築基準法で地盤から30cm以上の高さを確保する必要があると定められています。

ですので,上記の図よりも低い基礎でも十分建築基準法では通ります。

ちなみに小松市で浸水した住宅の多くはおおよそGLからの高さが35cm程度だったようです。

基礎高さが低くなれば,コストを抑えられます。住宅の勉強されているお客様でも当時は

基礎高さのことまでは確認していなかった方が多かったと思われます。

ローコスト住宅などではこういった目に見えにくいところを

コストカットしている可能性は高いのです。

弊社の基礎高さの基準

弊社も独自で基礎高さの基準を設けています。基本「立ち上がり基礎45cm」です。

GLも高めの設定を行います。

外から目視しても基礎高さ高いと感じて頂けます。建築地域によっては

基礎高さをさらに高くご提案します。

気密パッキン

浸水に関してもう一つ重要な事があります。それは基礎と木部の間に敷くパッキンです。

現在の住宅で基礎パッキンしくは気密パッキンを取付することがほとんどです。

基礎パッキン
気密パッキン

二つの違いは穴が開いているかいないか。

穴が開いているのが基礎パッキン,開いていないのが気密パッキンです。

床下を外部と捉えるか否かでどちらを使用するかが変わります。

床下には通気が必要です。

通気を穴が開いてる基礎パッキンでとる,つまり床下は外と捉えます。

気密パッキンを使用し,穴を塞ぎ,床下の温度を下げない,通気は別の換気でとる,

つまり床下は屋内と捉えます。

穴が開いている基礎パッキンを使用する場合,もし基礎以上の浸水があれば,基礎パッキンの穴から

水が入り込み床上浸水被害になります。

しかし,気密パッキンを使用する場合基礎の上以上浸水があった場合も基礎内に水は入りにくくなります。

気密パッキン使用した高気密高断熱住宅の浸水の例

実際,弊社の福井県の建築仲間のお客様が浸水1mをご経験されました。

住宅は気密パッキンを使用した高気密高断熱住宅になりますが,

浸水1mにも関わらず,床下浸水はわずか5mmだったとのこと。

ちなみに水が一番入ったのは大きな引違の掃き出し窓だったようです。

以下の資料は発表頂いたプレゼン資料です。

弊社の基本仕様も気密パッキン

弊社の住宅仕様も気密パッキンです。もともとは気密パッキンはその名の通り気密を取る部材ですが,結果的に浸水対策になっているというのが正直なところです。

断熱材の種類によっては大型リフォームの可能性も…

さきほどの浸水事例は断熱材は硬質ウレタンフォームでした。

硬質ウレタンフォームは水に強い断熱材です。

これがグラスウールや吹付断熱でしたら,断熱材がダメになっていた可能性が高いです。そうなれば,

かなり大型のリフォームをする必要があったかもしれません。

まとめ

今回は大雨が多い昨今,浸水被害から守るための事を書かせて頂きました。

もちろん,お住まいの浸水深が高ければ越したことはありませんが,

すべての土地が満たしている訳ではありません。

そこで,建築会社側でできる対策について書かせて頂きました。

現在,建築会社探しをしている方でしたら,ぜひ訪問した建築会社さんに「浸水の対策は?」,「基礎高さは?」などの質問はしておいた方が良いと思います。

一生に一度の最も高い買い物です。できる限りのリスクは回避しておくべきです。

本日も最後までお読みくださりありがとうございました。弊社では随時高気密高断熱住宅に関するイベントを実施しております。

住宅に関するご質問やご興味あればお問合せからお気軽にメールください。