2023.10.17

収納という空間

皆様、こんにちは、

弊社は石川県小松市を拠点に小松市,能美市,加賀市を中心に
「全棟気密検査実施 、 断熱性能UA値=0.34W/(㎡・K)以下 、気密性 C値=0.1c㎡/㎡、耐震等級3の住宅」を設計・施工させて頂いている小さな工務店です。

今回は収納という空間について書かさせて頂きたいと思います。

家づくりはその建物を2次元,3次元でプランニングしていきます。家づくりは空間を作ると言っても過言ではありません。

作れば作るほどお金が減っていく空間とは

空間には様々な用途があります。

居場所の空間,癒しの空間,寝場所の空間,衛星の為の空間など…

そして,収納の為の空間もその一つ。

この中に作れば作るほど,お金が減っていく空間があります…

そうです。

収納の為の空間です。

なぜ?と思われました?

収納の中に入る物はほぼすべてお金がかかるものです。

衣類,食器類,雑貨類,本,おもちゃ,掃除道具,趣味の類,季節家電…

収納の中に入るものは多岐に渡ります。

大体家を建てるときには今持っている物がすべて収まるように収納計画をしますが,ほとんどの場合,持っているものよりも余裕をもって収納の空間を作ります。

アパート時代よりも収納の少ない家を建てる方は稀です。

その後,収納をたくさん計画して家を建てていくわけですが,新築でがらんとした収納空間を見ると,「もっと物があっても大丈夫だ」と思ってしまいます。

となると,何か欲しいものがあったとき,「この置き場所はどうしよう?」と考えなくても買えてしまいます。

置き場所というストッパーがなくなってしまうのです。

収納は不思議なもので大きな収納を作った家でも,小さな収納を作った家でも10年後その中にはその収納の中には割とぎっしりものが詰まってしまっています。

そして,中身が必要なものばかりかと言えば全くそんなことなない…

「最後に使ったものはいつだっただろう?」というものがたくさん入っています。

収納がいっぱいになって置き場所に困るようになって初めて物を買うときに「どうやって収納を空けようか」,「どこに置こうか」と考え始めるようになります。

その時点で「置き場所どうしよう?」という思考に至らなければ,家はゴミ屋敷一直線です。

置き場所があればあるほど,物を買います。そして,実は空間にもお金が掛かっています。「坪○○万円」と考えればご理解頂けると思います。

作れば作るほどお金が掛かるという意味がこのことです。

私の事例

先日,50年前に私の祖父が建てた3階建,延床120坪以上ある実家のいらない物の撤去に行きました。

その時の写真が以下です。

この軽トラで市のゴミ処理場へ粗大ゴミを捨てに行くのですが,20回以上足を運びました。

120坪以上の建物でかなりの収納空間があるので,相当のものが入れられます…

布団,マットレス,ひな人形や兜の季節物,着物や誰のものか分からない山ほどの洋服,3世代に渡る思い出のアルバム等…

この時思いました。「収納の空間は多ければ多いほど,物を買うし,中で保管してしまう。そして,その片づけをするのは次もしくはその次の世代なんだ」ということを…

私も住まわせて頂いたお家ですので,当然と言えば当然のこと。

しかし,なかなかのハードワークでした。

やってみて収納という点でとても学びになりました。

収納の広さは家の面積の10~13%が目安

以前から収納の広さは家の面積の10~13%が目安と言われてきました。では30坪(60畳)の家に6畳のファミクロがあって,残りは家中の必要箇所に収納がばらけていればいいのでしょうか?

高気密高断熱住宅は大きな物を収納する量が減る?

それでも問題はないですが,昔と違って今は大きな物のしまい込むことは少なくなってきています。雛人形や兜,こいのぼりなどの季節行事のものはかなりコンパクトになっています。仏壇なども同様です。

高気密高断熱住宅になればさらに大きな物をしまい込む量が減ります。

まずは布団です。敷き布団を夏と冬に特に分ける必要が特にありません。少なからず私の自宅はそうです。

次にこたつやカーペット,ヒーターの暖房器具です。現在はエアコン1台で冬場でも快適に過ごしています。ですので,以上のような暖房器具は入りません。夏なら扇風機も不要です。アパートの場合の収納スペースはこれらの器具を片付けるために結構場所を取られていました。現在は片付ける手間すらいりません。

ウォークインクローゼット収納は片付けやすい?

現在の住宅はウォークインクローゼット(以下WIC)の収納が主流です。ただ,WIC収納の場合,奥に動かせない物があり,整理されているわけではなく,ただ突っ込まれている状態に陥りやすいのも事実。

WIC収納よりも奥行45cm壁面収納の方がたくさんあった方が家は片付きやすいです。それは上記でもお伝えした大きなものをしまい込む量が減ったことも要因です。必要な時に出して使えるという本来の状態にするには壁面収納の方が適しています。

もちろん,WIC反対派ではございませんのであしからず(汗)。

自宅にもあります。

WICの起源,そしてこれから

WICが流行った時期は阪神大震災以降です。タンスなどを部屋に置かずに倒れても人が下敷きにならない場所にまとめましょうという考えから生まれました。

現在,大型家具が少なくなり,作りつけのクローゼットが主流になってきている今,収納の在り方も今後変わっていく必要があるのかもしれません。

まとめ

収納というのは作れば作るほど,中に入れる物を買うことになります。そして,建物も大きくなり,住宅の建築費も上がることになります。何を収納する必要があるのかよくご家族で話し合って収納の大きさを吟味していくことが大切です。

本日も最後までお読みくださりありがとうございました。弊社では随時高気密高断熱住宅に関するイベントを実施しております。

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