2024.03.21

日本の省エネ基準が変わります!

皆様、こんにちは、

弊社は石川県小松市を拠点に小松市,能美市,加賀市を中心に
「全棟気密検査実施 、 断熱性能UA値=0.34W/(㎡・K)以下 、気密性 C値=0.1c㎡/㎡、耐震等級3の住宅」を設計・施工させて頂いている小さな工務店です。

「先日、お客様からUA値は0.6、C値は0.8でいいです!」と言われました。

私は、衝撃的でどのように説明したらよいか戸惑ってしまいました。

まだまだ、断熱性能や気密性能の重要性が伝えられていなかったとひどく落ち込んでしましました。

そこでもう一度これからの家づくりにの断熱性と気密性の整理していきます。

これまでの低気密低断熱の日本の家

日本の住宅の質は低いというお話は、昔からいわれていますが、
ここへきて大きな転換点を迎えています。

もともと、日本は夏の高温多湿に対応することを優先して家づくりをしていて
冬はたくさん服を着こんで対応するという考えでした。

また、地震や台風などの災害も多く、質の高い家をつくって長期間住む
という考えは少なかったのです。

同時に戦後の日本は、住宅が不足していて、とにかく量を供給する必要があり、
品質の高い家というものを作って来なかったのです。

時代が進み、技術的にも住宅の耐震性能が当たり前になり、
家の量も足りてきたところに、省エネやカーボンニュートラルなどの環境が
世界的にも注目されてきて、日本の住宅産業も変わらざる得なくなってきました。

ではここから、具体的にどう変わっていくのかを見ていきましょう。

UA値とC値

住宅の性能を図る指標基準としてUA値とC値というものがあります。

UA値は、以前はQ値という指標でしたが、今はUA値に統一されています。

UA値は、外皮平均熱貫流率というもので、建物の外部の温度をどれだけ
内部に伝えてしまうかという指標になります。

C値は、相当隙間面積というもので、家にどれだけ隙間があるかを
表す数値です。

UA値は断熱性、C値は、気密性を表す指標として住宅会社で説明を
受けられた方も多いのではないでしょうか。

省エネ対応へ向けて変わる日本の住宅基準

国が示すUA値の基準は、地域にもよりますが、東京都(6地域)であれば、
UA値0.87以下(断熱等級4)というのが、以前は最高グレードでした。

これは、建築物省エネ法に基づく省エネ基準で、税制優遇を受けるための
長期優良住宅という認定制度でもUA値0.87以下という基準になっていました。

しかし、海外に目を向けるとフランスは0.36、ドイツは0.4、アメリカは0.43と
いうUA値の基準になっています。しかもこの数値は法律で定められた最低基準であり、
これよりUA値が大きい建物は、NGということです。
これだけでも日本の住宅の質がいかに低いかわかります。
これはまずいということで、2022年に断熱等級5という基準を設け、UA値0.6以下としました。

更に半年後には、断熱等級6(UA値0.46以下)、断熱等級7(UA値0.26以下)
の基準をつくりました。

2025年からは、すべての新築住宅にかつての最高グレードの断熱等級4を
義務付けることが決まっています。

新たに設定された断熱等級はHEAT20の基準を参考にしるのです。
HEAT20とは、昔から日本の住宅の高断熱化を推奨していた組織で
「2020年を見添えた住宅の高断熱化技術開発委員会」といいます。

このHEAT20が訴えるグレードには3段階あり、最も下のG1でUA値0.6、G2でUA値0.34
G3でUA値0.23でした。
断熱等級とは少々数値が違いますが、おおむね同じような基準値になっています。

UA値だとわかりにくいかもしれませんが、G1では、真冬でも室内は10℃以上、
G2では13℃以上、G3では15℃以上と考えるとイメージしやすいと思います。

C値については、明確な基準がないですが、かつては1.0以下であれば
優れた住宅と言われていましたが、今は0.5以下が多くみられるようになり、
測定値で0.1という超高気密住宅も施工されています。

弊社、アイラシックホームでは、
UA値0.34、C値0.1台を標準として超高性能住宅を作ります。

パッシブデザインも組み入れる

日本には、従来から風や太陽光など自然の力を活用して生活の質を
よくするという考えがあります。
このような考えは、エアコンなどの機械を使って快適な空間をつくる
アクティブデザインに対し、パッシブデザインといいます。
高気密高断熱の住宅に全館空調機をつけて、アクティブに制御するのも一つの方法ですが、
自然の力を活かした方が、より省エネで効果的です。

例えば、庭に落葉樹を植えるだけでもパッシブデザインと言えます。
夏は葉が生い茂り、日差しを滞り、冬は葉が落ち日差しを滞りません。
これだけでも自然の力を活かしたデザインです。

このように、日本の気候や特殊性から、低かった住宅の質が少しずつ向上しています。

UA値・C値などの性能は、もちろん重要になります。
そのうえでより省エネな住宅をご提案していきたいです。