皆様、こんにちわ。
弊社は石川県小松市を拠点に小松市,能美市,加賀市を中心に
「全棟気密検査実施 、 断熱性能UA値=0.34W/(㎡・K)以下 、気密性 C値=0.1c㎡/㎡、耐震等級3の住宅」を設計・施工させて頂いている工務店です。
真冬でも快適に過ごせる高性能住宅を作る上で「UA値(外皮平均熱貫流率)」、「C値(すき間相当面積)」が重要であることは何度もお話させて頂きました。
もう一つ重要な数値があります。それは「ηA値」です。
・・・なんて読むの?
理数系の方でないとなりますよね。
答え
「ηA値」=イータエーチと読みます。
ηA値(平均日射熱取得率)とは
簡単に言うとその家にどれくらいの日射が入ってくるのかを表す数値になります。
窓や壁などから入る割合がηで家全体の数値がηA値です。
その中でも
ηAC値(冷房期の平均日射熱取得率)
ηAH値(暖房期の平均日射熱取得率)
があります。
夏場はなるべく日射を家の中に入れなければ室内温度は上がりにくく冷房効率がUPし快適に過ごせます。
ですので,ηAC値は低い方が良いです。
冬場は逆に日射を家の中に取り入れた方が室内温度は上がりやすく暖房効率がUPし快適に過ごせます。
つまり,ηAHは高い方がいいことになります。
ηA値の基準と地域区分
ではηA値の良し悪しの基準はどうなっているのでしょうか?
ちなみに省エネ基準値はηAC値のみ設けられており,ηAH値の基準はありません。
省エネ基準地域区分5地域から定められており以下の通りです。
ちなみに弊社が建てさせて頂く住宅はすべて1以下で設計させて頂いております。
ηA値を向上させるためには
では,ηAC値を低く,ηAH値を高くする住宅にするにはどうすればよいのでしょうか?
具体的には…
①南面に大きな窓をつける
②外部から家の日差しをカットする工夫をする
②方角に合わせた窓を選ぶ
①南面に大きな窓をつける
まず,「南面に大きな窓をつける」ことでたくさんの日差しを取り込むことができます。
窓に当たる熱量は電気ストーブ1台分相当とも言われていますので大変重要であることが分かります。
屋内も日差しで明るくなりますので,照明器具の電気代の節約にもつながります。
②「外部から家の日差しをカットする工夫をする」
南面の日射は夏至の高度は高く,冬至の高度は低くなります。
従って夏の日差しをカットする工夫をする必要があります。
そこで設計段階で
・軒を長くする
・窓上に庇を取り付ける
また,エクステリア商品で
・外部ブラインドを取り付ける
・外部シェードを取り付ける
などがあります。
室内カーテンでもよいのでは?というお声もあると思いますが,外部で日射をカットするのと,屋内で日射をカットするのでは室内に入ってくる熱量は外部でカットする方が1.5倍少なくできます。外部で日差しをカットする方が効率的です。
③方角に合わせた窓を選ぶ
南面には日射取得型ガラス「Low-E複層クリアガラス」を採用し,東西北面には日射遮へい型ガラス「Low-E複層グリーンガラス」を採用することで夏は日射を遮り,冬は日射を取り込むことができます。
ただし,北陸地域(石川県,富山県,福井県)は年間日射時間は都道府県ランキングでも30位台とかなり低いため,あまり冬場の日射取得期待できません。
ですのであえて夏場の日射遮へいを意識してすべてのガラスを「Low-E複層グリーンガラス」にする考え方も一つだと思います。
まとめ
長々と書かせて頂きましたが,夏も冬も快適な住宅を建てる上で重要なのは「断熱性能」と「気密性能」で住宅の性能基盤を作った上で「日射取得率」を考慮した設計を行い最大限自然エネルギーを活用できるようにすることが大切ということです。