2022.10.07

太陽光発電システムに対する疑惑!?その2

前回のコラムに引き続き,太陽光発電システムの疑惑について書かせて頂きたいと思います。頂くご質問の中で多いのが「パネル捨てるときどうするの?」,「捨てることできるの?」,「費用は?」ということ。つまり,太陽光発電システムはエコなのか?リサイクルできたり,ちゃんと処分できるのか?について探ってみたいと思います。

【疑惑2】太陽光発電自体はエコではない!?

有害物質を含むのでは?

現在市場で普及しているシリコン系太陽光パネルに使われている素材で有害とされているのはセルをつなぐ電極に使用されている「鉛」とセルに使用される「ヒ素」や「セレン」,「カドミウム」が挙げられます。鉛に関しては1990~2000年代に製造されていたものでそれ以降は鉛フリーの電極が主流になっており,同様にヒ素やセレン,カドミウムについても解決済みとのことです。これから購入されるパネルに関しては心配する必要がありません。

森林でなく住宅屋根に設置を

再考エネルギー:全国で公害化する太陽光発電 出現した黒い山、田んぼは埋まった | 毎日新聞

 ネガティブなイメージの一つに森林を伐採して,たくさんの太陽光発電を設置しているのも実際目にしているのではないでしょうか?山を切り開き,森林破壊してまでパネルを設置して売電するということは私も個人的には賛成しません。それに比べてすでにある住宅の屋根を活用して太陽光を設置して生活電気を得ることはエコと言えるのではないでしょうか?

終活したパネルはどう対処する?

まず,破損してしまったり,耐用年数を超えて発電効率が落ちたパネルは廃棄という道をたどります。廃棄後は

①破砕・埋立  処理コストが最も安い

②リユース   業者が所有者からパネルを買取り,中古品として国内外へ再流通

③リサイクル パネルを分離して新たなマテリアル(原料)として再利用する

埋立は最終処分場の残存容量問題があるため,リサイクルという選択肢が今後最も現実的な選択肢のようです。

リサイクル費用の相場は?

施工事例 : 太陽光発電システムの撤去工事 | 滋賀県で太陽光発電・ソーラーシェアリングなら大西デンキシステム

現在,太陽光パネルのリサイクルにかかる費用はパネル1枚あたり約3,000円程度が相場になります。これに屋根から本体撤去・運搬や諸経費が加算されるようになります。現場にもよりますが,足場・撤去・運搬でおおよそ20万円が目安。後はパネルの枚数分のリサイクル料を含めると,一般家庭のパネルの枚数なら,すべて込み30万円程度で処分が可能になります。

大量廃棄の時代が来る!?

太陽光パネルの「2030年問題」 大量廃棄時代に備えるリサイクルとリユースの現場 | マネーポストWEB

2015年に環境省が撤去されるパネルが2040年に約80万トンに達することを公表されました。これを見られてビックリされた方も多いはず。

しかし,現在リサイクル業者さんや処理施設が増えている状況です。また量産できるように24時間体制できる施設もできています。太陽光発電施設導入容量全国4位の福岡県は2021年に廃棄パネルを効率よく回収・リサイクルを目的とした「廃太陽光パネルスマート回収支援システム」を全国発として新たなスキームを作りました。20年後の未来を予想して,着々と動き出しています。

太陽光パネル“大廃棄時代”がやってくる | NHK | ビジネス特集 | 脱炭素社会への動き
太陽光パネル処理施設の様子

本日は「疑惑2 太陽光発電自体がエコではない!?」について書かせて頂きました。あまり知られていない太陽光の有害物や設置した30年後の処分の種類や費用などでしたが,少しでもご興味持っていただけたら幸いです。

本日も最後までお読みくださりありがとうございます。