2024.01.23

弊社のお客様は年間光熱費4万円

皆様、こんにちは、

弊社は石川県小松市を拠点に小松市,能美市,加賀市を中心に
「全棟気密検査実施 、 断熱性能UA値=0.34W/(㎡・K)以下 、気密性 C値=0.1c㎡/㎡、耐震等級3の住宅」を設計・施工させて頂いている小さな工務店です。

今回は年間光熱費について書かせて頂きたいと思います。

北陸電力七尾大田火力発電所は運転再開の目途が立たず

能登半島地震により,北陸電力七尾大田火力発電所は運転再開の目途が立っていない状況です。

倒壊した七尾大田火力発電の火力払出機

1月1日,地震の影響で北陸電力管内の供給力が不足する恐れがあるとして,関西電力送配電に対して60万キロワットの電力を供給するよう指示したとのこと。現在,北陸は関西電力から電気を買っている状態です。

また,能登半島の沿岸部で複数の改定断層が連動して動いたことが原因で今回能登半島地震が起こったとされています。北陸電力は志賀町にある志賀原発の状態として「地震で安全上問題となる被害は確認されていない」と報告しています。2026年1月に再稼働を目指しておりますが,審査の長期化は免れないと思います。

エネルギーの高騰は収まらない?

電気代等のエネルギーに対しての補助金は当初2023年9月まででしたが,物価高などが続いたことを考慮し,支援単価は減額にはなりましたが,2024年5月までの延長が決定されています。

しかし,火力発電の停止,原子力発電の審査長期化やロシアの戦争の長期化を踏まえると,簡単にエネルギー単価は下がらないといえそうです。むしろ,外部環境だけ見ればエネルギー単価は上がる要素しかありません。

住宅の高性能化とZEHが大切に

ともなれば,エネルギーを極力作らなくても快適に過ごせる断熱・気密性が高い高性能+太陽光発電によるZEHの住宅性能はこれから住宅を建てる方々には基本だといえます。ローコスト住宅に住む人とではエネルギー単価が上がれば上がるほど,年間光熱費に差が出てくることになります。

2022年5月~2023年4月の毎月平均の電気代は14,849円

総務省統計局の家計調査によりますと,2022年5月~2023年4月の4人家族の平均電気代は1か月あたり14,849円になります。年間で178,189円かかることになります。

色々な地元の方の情報をお聞きすると,2023年現在はオール電化で平均電気代は1か月あたり16,000円以上で年間200,000円以上は珍しくないと思います。

ちなみに10以上前に家を建てた弊社のスタッフの2022年4月~2023年3月での年間光熱費は295,005円でした。月平均では24,583円になります。

弊社の取り組み

弊社ではお客様にご提案時の住宅で省エネレポートというものをご提出させて頂きます。それによりこの住宅性能ではどの程度快適で,さらにどの程度経済的メリットもあるのかご理解頂くようにしております。そして,お引渡しから1年後に光熱費の実測データと照らし合わさせて頂きます。そこでお客様には改めて「いい家だ!」と嬉しいお言葉を頂くことが多いです。

弊社のお客様の光熱費データ

弊社の標準住宅性能で太陽光発電と搭載した住宅に住まれている年間光熱費について書かせて頂きます。

<K様邸>

ご家族構成は2人ご家族になります。以下が建築前の光熱費シュミレーションになります。

左上が年間の水道光熱費の資料になります。年間電気代188,380円のシュミレーション。太陽光発電を6.7KW搭載したので,年間売電・自家消費がー135,860円のシュミレーションとし,年間光熱費合計が52,530円と出ました。

上記がお客様の年間光熱費になります。エアコンは夏場は間欠運転,冬場は連続運転でご使用頂いています。年間電気代は163,750円,年間売電が-121,923円,年間光熱費合計は41,827円という結果になりました。建築前のシュミレーションと比較しても52,530円-41,827円=10,703円も経済的になっています。

【お客様の声】

「快適なのは自分たちよりも別々に住んでいる親族が来るたびにうらやましいと言ってくれます。友人と電気代を比較しても自宅の電気代がかなり低いことに驚きでした」と喜んでくださっています。

<E様邸>

次は4人ご家族でお住まいされているお客様です。以下が建築前の光熱費シュミレーションになります。

左上が年間の水道光熱費の資料です。年間電気代164,650円のシュミレーション。太陽光発電を7.2KW搭載したので,年間売電・自家消費がー117,350円のシュミレーションとし,年間光熱費合計が47,300円となりました。

上記がお客様の年間光熱費になります。エアコンは先ほどのお客様と同様に夏場は間欠運転,冬場は連続運転でご使用頂いています。年間電気代は167,350円,年間売電が-126,153円,年間光熱費合計は41,225円という結果になりました。建築前のシュミレーションと比較しても47,300円-41,225円=6,075円経済的になっています。

【お客様の声】

「冬場は24時間エアコン運転している状態で特別節約を意識してない状態で年間光熱費が4万円台という結果にとても満足です」というお言葉を頂いています。

<N様邸>

最後に4人ご家族のお客様になります。

左上が年間の水道光熱費の資料です。年間電気代185,220円のシュミレーションになります。太陽光発電を6.75KW搭載したので,年間売電・自家消費が-131,490円のシュミレーションとし,年間光熱費合計が53,730円となりました。

上記がお客様の年間光熱費になります。エアコンは夏場冬場共にほぼ連続運転でご使用頂いています。年間電気代は154,345円,年間売電が-116,831円,年間光熱費合計は37,514円という4万円を切った結果になりました。建築前のシュミレーションと比較しても53,730円-37,514円=16,216円も経済的になっています。

【お客様の声】

「下の子が小さかったので,家にいることが多く,真夏と真冬はエアコンをほぼつけっぱなし状態だったのにこの光熱費はとても助かりました。しかも快適で子供もよく寝てくれています」

と嬉しいお言葉を頂きました。

断熱等級と快適性の比較

今回は光熱費にフォーカスしましたが,忘れてはいけないのが快適性です。

上記の表は省エネ基準地域区分6地域の場合の断熱レベルごとに無暖房の状態で冬季間の最低の体感温度概ね何℃下回らないか示した図です。温度だけではわかりにくいため,冬場に奥様が無暖房の状態の家に帰宅して,どれくらいの部屋着で快適に過ごせるかを示したイメージ図も載せております。

<省エネ基準(UA値0.87W/㎡・K)の場合>

冬季間の最低の体感温度概ね8℃を下回らない状態。ダウンコートで帰宅して無暖房の室内に入ると,はそのままダウンコートを着て快適なイメージです。

<HEAT20G1レベル(UA値0.56W/㎡・K)の場合>

冬季間の最低の体感温度概ね10℃を下回らない状態。ダウンコートで帰宅して無暖房の室内に入ると,ダウンコートは脱ぎ,厚手のボアジャケットを着て快適なイメージです。

<HEAT20G2レベル(UA値0.46W/㎡・K)の場合>

冬季間の最低の体感温度概ね13℃を下回らない状態。ダウンコートで帰宅して無暖房の室内に入ると,ダウンコートは脱ぎ,インナーに部屋着のスウェットを着て快適なイメージです。

<HEAT20G2.5レベル(UA値0.34W/㎡・K)の場合【 アイラシックホーム標準性能】>

こちらの性能が弊社標準断熱レベルです。冬季間の最低の体感温度概ね14℃を下回らない状態。ダウンコートで帰宅して無暖房の室内に入ると,ダウンコートは脱ぎ,インナーに部屋着のシャツを着て快適なイメージです。お客様宅へ訪問してもおおよそ,ご家族はこのようなスタイルでお出迎えくださいます。基礎代謝が高いご主人様の場合はたまに半ズボンの方もいらっしゃいます。

<HEAT20G3レベル(UA値0.26W/㎡・K)の場合>

冬季間の最低の体感温度概ね13℃を下回らない状態。ダウンコートで帰宅して無暖房の室内に入ると,ダウンコートは脱ぎ,部屋着の薄手のコットンニットを着て快適なイメージです。G3レベル以上になると,12月はエアコンがを使用しなくても普通に過ごすことが可能になります。

<それ以上の断熱性レベルの場合>

現在,弊社ではUA値0.19W/㎡・Kのモデルハウスを建築予定中です。この断熱性能は北海道基準でのG3レベルになります。完成しましたら,様々な実験を行っていきたいと考えています。冬場半袖で過ごしても快適レベルになるのでしょうか?こうご期待です。

お客様の実際の無暖房状態の室温環境

<2024年1月11日晴れ 最低気温-1℃ 最高気温7℃>

今年でかなり寒い日にお客様宅で朝方エアコンを入れて,8時15分の出勤時にエアコンを切り,16時27分に帰宅し,約8時間の無暖房状態で室温が何度に下がっているか実験してみました。結果が以下になります。

出勤時のLDKは室温環境21.9℃で8時間後に帰宅しても18.9℃の室温環境でした。外気温はかなり寒い状態で無暖房の状態でもわずか3℃の室温低下に留まっています。湿度もさほど変化はありません。

ちなみに私の実家では冬場無暖房での帰宅時は8℃以下だった記憶があります。北陸の冬のあるあるかもしれません。と考えるとお客様宅と私の実家では10℃以上の室温差があることになります。

エアコンの負荷が最もかかるのは初期動作時です。ですので,最初の室温が低ければ低いほど負荷がかかります。つまり,電気代がかかってしまうことになります。それを抑えられるのが断熱・気密の役割です。住宅を計画する際,ついつい,目に見える住宅設備機器や内装デザインなどに費用を回したくなります。しかし,「家づくりにおいて優先的にまず費用をかけるのは断熱・気密ですよ」とコラムでもお伝えさせて頂いている理由がこれになります。

まとめ

この先,外部環境を考えてもエネルギー単価は上がっていく可能性は高いと思います。2024年6月には国からのエネルギーに対する補助金は終了する予定です。断熱・気密を高めた家と普通の家との光熱費はますます差がついていきます。弊社のお客様の例を見てみても高断熱高気密+ZEH住宅と普通の住宅を比較しても現在の時点でも光熱費は15万円以上差がついています。住宅ローンは35年~40年で終えることができますが,光熱費は生きている限り,一生続きます。どうぞ,目先の金額だけにとらわれた家づくりならないようお気をつけて頂けたらと思います。

本日も最後までお読みくださりありがとうございます。

弊社では随時高気密高断熱住宅に関するイベントを実施しております。

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