2022.09.07

同じ省エネ基準地域区分 石川県(小松市)と東京は本当断熱基準は一緒でいいの?

皆様、こんにちわ。

弊社は石川県小松市を拠点に小松市,能美市,加賀市を中心に

「全棟気密検査実施 、 断熱性能UA値=0.34W/(㎡・K)以下 、気密性 C値=0.1c㎡/㎡、耐震等級3の住宅」を設計・施工させて頂いている工務店です。

省エネ基準地域区分とは国内を8つの地域に分けて地域ごとの基準に合わせて断熱の基準が分かれているものになります。

ちなみに1~2は最も寒い北海道が基準になり,数値が高くなれば暖かい地域になっていき,8地域が最後で沖縄となります。

以下がその8つの地域区分を日本地図で表したものと地域ごとの断熱基準値を表した表になります。

住まいの断熱性能と「アレルギー・喘息」の関係性【近畿大学教授が解説】(幻冬舎ゴールドオンライン) - Yahoo!ニュース

弊社の場合は石川県小松市で注文住宅を建てさせて頂くことが多いのですが,こちらは6地域になります。断熱基準は国が推進しているHEAT20 G2グレード(等級6)の場合,のUA値=0.46 W/(㎡・K)になります。

冬でも暖かい家に住みたいと思っていて家の性能を勉強されている方ならご理解して頂けるお話かとおもいます。

では「6地域の小松市で家を建てるなら国が推進しているG2グレードの断熱基準UA値=0.46の家を建てよう!」

となりそうですが,はたしてこれは正解なのでしょうか?

そもそも,同じ6地域には東京が含まれています。(ちなみに6地域の基準でありモデルは東京です)

えっ?? 東京と石川県小松市の気候が同じ??

<東京の冬の風景>

東京・表参道の表参道ヒルズ前の冬の風景 写真素材 [ 2325550 ] - フォトライブラリー photolibrary

<石川県小松市の冬の風景>

2月5〜8日の北陸西部の大雪について | Weathernews Inc.

<石川県小松市の冬の風景>

見た目にはどう考えても同じでないですよね??(笑)

では次はデータで比較してみましょう。

2020年1月の気象庁データを抜粋すると…

<東京>  日最高気温9.8℃,日最低気温1.2℃,月平均気温5.4℃,合計降水量59.7mm

<小松市> 日最高気温7.2℃,日最低気温0.4℃,月平均気温3.6℃,合計降水量251.3mm

数字から見てもやはり東京と石川県小松市は省エネ基準地域区分を6地域と同じにするには無理があるようです。しかし,これは国が決めたもの。私たちでは覆すことはできません。

色々考察していくうちに私にはある疑問が生じてきました。

そもそも6地域でHEAT20 G2グレード(断熱等級6)の断熱基準 UA値=0.46は正しいの?ということ…

これを解決してくれるサイトがあります。

「一般社団法人 20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会 HEAT20」

URLはこちらです⇒ https://www.heat20.jp/

(HEAT20=国に近い組織がつくったものですので信頼性は限りなく高いです)

こちらで行えることが建築地域と建築予定の断熱性能UA値を入れるだけで重要項目が断熱基準(G1~G3)ごとに「適合」,「概ね適合」,「不適合」は判定してくれます。

これで東京と石川県小松市を比較してみましょう。

まずは地域を東京,UA値をG2グレード基準0.46W/(㎡・K)と入力してみます…

G2グレードの項目で①住空間の暖房期最低室温13℃を下回らない「適合」,②暖房室温15℃未満の面積比割合10%程度以下「概ね適合」,③平成28年度省エネ基準からの暖房負荷削減率55%以上削減「概ね適合」と判定されました。

結果,東京ではUA値=0.46W/(㎡・K)でG2グレードの基準は「適合」ということになります。

では次に地域を小松,UA値をG2グレード基準0.46W/(㎡・K)と入力してみます…

G2グレードの項目で①住空間の暖房期最低室温13℃を下回らない「概ね適合」,②暖房室温15℃未満の面積比割合10%程度以下「不適合」,③平成28年度省エネ基準からの暖房負荷削減率55%以上削減「不適合」と判定されました。

これで答えが出ましたね。

6地域の東京ではUA値=0.46でG2グレードの基準を各項目「適合」と判定できますが,同じ6地域の石川県小松市ではUA値=0.46ではG2グレードの基準を各項目がほぼ「不適合」になるということです。

つまり,北陸地域はUA値=0.46W/(㎡・K)ではG2グレード基準の断熱性能としては実際足りない!

ということがはっきりわかりました。

「うちの作る住宅はUA値=0.46W/(㎡・K)なので安心です!」とアピールしている広告媒体をよく目にしますが,これは国の定める6地域のG2グレード基準をクリアしているというだけで,実際お客様が年中快適にそのお家に住むためには断熱性能は足りないということです。

これから性能の高い家の購入を検討される方はぜひご注意頂きたいと思います。

ちなみに小松市ではUA値がどの数字から「適合」と判定されるのでしょうか?

地域を小松,UA値を0.37W/(㎡・K)と入力してみます…

G2グレードの項目で①住空間の暖房期最低室温13℃を下回らない「適合」,②暖房室温15℃未満の面積比割合10%程度以下「概ね適合」,③平成28年度省エネ基準からの暖房負荷削減率55%以上削減「概ね適合」と判定されました。

石川県小松市ではG2グレード基準を満たすのはUA値=0.37W/(㎡・K)は最低限でも確保したい

ところです。

もちろんUA値だけが住宅性能を決めるものではありません。

C値やQ値,η値等も大変重要です。

弊社は「全棟気密検査実施 , 断熱性能UA値=0.34W/(㎡・K)以下 ,気密性 C値=0.1c㎡/㎡台の家づくり」をお客様に明確にお伝えしています。

一番大切なのは国の定めた目標数値を達成することではなく,そこに住むお客様が快適に過ごして頂くことですので。

ちなみにこのサイトは一般の方も自由に見ることができます。自分たちの住む地域ではどれくらいの断熱性能が必要なのか?一つの指標になるものですのでこれから住宅性能にこだわった家を建てたいという方はぜひ試してみてください。

今日も最後までコラム読んでくださりありがとうございます。