皆様、こんにちわ。
弊社は石川県小松市を拠点に小松市,能美市,加賀市を中心に
「全棟気密検査実施 、 断熱性能UA値=0.34W/(㎡・K)以下 、気密性 C値=0.1c㎡/㎡、耐震等級3の住宅」を設計・施工させて頂いている工務店です。
現代の住環境で快適に過ごすには「エアコン」は欠かせないものの一つです。
昨今の灼熱の夏場には絶対的なもの...そんな時期に故障でもしたら死活問題。

10年ほど前から暖房強化型エアコン(外気がマイナスでも約60℃の温風が出て霜取り運転がほぼない機能のエアコン)が発売され,「冬場の暖房機器もエアコンでまかなう」という需要がとても増えてきています。
そんな必要不可欠なエアコンですが,今日は以下のこちらを考えてみたいと思います。
現代の高性能な住宅では何台がベストなの??

これはこれから住宅を建てる予定の方にはとても悩ましいことです。多ければ設置費用や電気代は高くなるし,少なければ快適ではなくなる。難しいところです。設計提案をしている住宅のプロでもエアコンのことまで考えて設計している会社さんは少なく,部屋数だけエアコンを取り付けるケースも多くみられます。
それでは「何のための高性能住宅なの?」と言いたくなりますよね。
<一般的な性能の高い家とは>

そもそも高性能な住宅の基準とは?
6地域でUA値=0.46もしくは5地域でUA値=0.34以下(G2グレード)、C値=0.3以下
が一般的な性能の高い家で逆に私たちは北陸で快適に過ごすための最低限必要な性能だと考えています。(希望は6地域ではUA値=0.37以下)
<各部屋にエアコン一台という時代ではない>
今までは各部屋にエアコン1台設置するのはあたりまでした。
私も学生のころは自分の部屋で真夏に冷房設定18℃で冬布団にくるまって寝るのが好きだったのを覚えています。(その後,親に「節電しなさい!」と叱られたのは言うまでもありません)
しかし,近年のエネルギー問題で電気代も上がり,節電意識もより高まったことで家のエアコンを何台も常時稼働させることは少なくなったといえます。

<住宅の高性能化によるエアコン設置数の減少>

住宅の高性能化によってつくったエネルギー(熱や冷気)が逃げにくい環境になったことで,明らかに新築時に設置するエアコンの数は少なくなりました。これは新築工事に携わらせて頂いての実感です。
住宅性能が上がったことで「住宅全体でエアコン1台で賄う」,「全館空調」,「床下エアコン」などをアピールするハウスビルダーや工務店さんが増えています。
<間取りで次第でエアコンの数を減らすことができる>

廊下を少なくすることや吹抜をつくる,無駄な扉はなくすなどのオープンな設計にすることで冷気や暖気を容易に部屋中に広げることができます。サーキュレーターを活用すれば◎。各部屋の扉はいないときは基本開けておくという考え方であればエアコン1台でも十分快適に過ごせます。

扉を常に閉めておきたい場合はランマ付きドアなどは風を取り入れるにおススメです。
<そもそも冷気と暖気はどう動く?>

空気などの気体は温度が下がると密度が大きくなる特徴があります。そのため,冷気は重く下に下がり暖気は軽く上に上がるという特徴を持っています。
<暖房は1階のリビングエアコン,冷房は2階のエアコンを>
この冷気,暖気の性質を踏まえて1階の開放的な箇所であるリビングのエアコンを冬場に稼働,2階の廊下などに設置したエアコンを夏場に稼働することで住宅に2台設置1台稼働という最小限のエアコン数にすることができます。

<気密の観点からも極力エアコンの数は少ない方が良い>
エアコン設置の際,穴をあける必要がありおおよそ70φの大きさになります。気密の重要性を理解している工事業者さんならまだしも工事スピードを重視する大型量販店の下請け業者さんが施工する場合はせっかく新築時にしっかりした気密施工が台無しになってしまいます。しかし,どちらのタイプの工事業者さんにしても穴は開けなくていけないので,その穴は少ない方がよいことには変わりありません。

※弊社は後から穴を開けると気密処理が完璧にできないという理由から,新築工事中に事前に穴を開けて気密処理をしっかり行っておきます。
<エアコンは壊れやすいもの>
エアコンは冷蔵庫や洗濯機などの家電に比べると,故障しやすい機器です。基本10年で買替,長く使えて15年,はずれを引いてしまうと7~8年で故障したケースもあるほど。2021~2022年は特にコロナの影響でエアコンの入荷が大幅に遅延しました。そうなると,真夏にエアコンが故障すれば,大変なことになります(汗)。対処方法として先程の2台とは別に予備としてもう1台設置することも選択肢のひとつにできると考えます。
<まとめ>
・高性能住宅で快適に過ごすためには最小でエアコンは2台設置が必要で1台のみ可動。
・設置位置はいずれも開放的な場所が良い。1階の場合はリビング,2階は廊下など。
・冬場は1階のエアコン,夏場は2階のエアコンを稼働。
・間取りは開放的であるほど,冷気暖気が容易にいきわたる
・エアコンは故障するもの。ですので,予備としてもう1台エアコン設置しておくのもよい。
エアコンの最適な大きさについてなどはまた別の機会にお話しできればと思います。
最後までお読み頂きありがとうございます。