2022.10.04

2021年と2022年の電気代比較

皆様、こんにちわ。

弊社は石川県小松市を拠点に小松市,能美市,加賀市を中心に

「全棟気密検査実施 、 断熱性能UA値=0.34W/(㎡・K)以下 、気密性 C値=0.1c㎡/㎡、耐震等級3の住宅」を設計・施工させて頂いている工務店です。

2022年4月から電力会社各社値上げを行ったのは皆様もご承知の通り。

毎月の電気代の明細書を見てびっくりすることも少なくないのではないでしょうか?

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しかし,実際,「電気代の項目のどこが上がったのか?」知っている人はごくわずかだと思います。

私は2022年7月までアパートに住んでいましたが,この度地元石川県小松市で新築(ZEH)を建てに住むようになりました。

ですので,今回は<2021年9月アパート電気代>と<2022年9月戸建て(ZEH)電気代>を比較してみたいと思います。

<2021年9月 アパート 電気使用量>

【仕様】オール電化(温水器,IH,エアコン2台)

【電気契約】 エルフナイト10プラス 5KVA

<2022年9月 戸建(ZEH) 電気使用料>

【仕様】オール電化 (エコキュート,IH,エアコン1台),太陽光発電6.75KW

【電気契約】くつろぎナイト12 10KVA

電気使用量を比較してみて・・・

<2021年アパート>の電気代は12,510円で<2022年戸建(ZEH)>の電気代は10,786円です。

金額だけの比較ですと,1,724円とそこまで電気代が安くなった印象がありません。

しかし,電気使用量を見てみると,

<2021年アパート>の電気使用量は584kWhに対して,<2022年戸建(ZEH)>の電気使用量は335kWhと4割以上削減となっております。

『4割電気使用量削減になっている理由』

①高気密高断熱(UA値=0.32,C値=0.1)住宅で省エネになっている

②太陽光発電による昼間自家発電している電気代を使用していること

しかし,電気使用量は4割削減できているのにも関わらず,電気代が1,724円しか下がっていないのはなぜなのでしょう?単純に電気単価が上がっているだけなのでしょうか?

次は以下の電気利用額内訳で比較してみたいと思います。

<2021年9月 アパート 電気利用額内訳>

<2022年9月 戸建(ZEH) 電気利用額内訳>

電気利用額内訳からわかった燃料費調整額という項目

<2021年アパート>はエルフナイト10プラスで<2022年戸建(ZEH)>はくつろぎナイト12という別のオール電化プランのため多少項目は変更しています。(エルフナイト各プランは2016年に廃止になっています)

パッとみて気づくのが,「燃料費調整額」という項目です。<2021年アパート>は169円だったものが<2022年戸建(ZEH)>には2,281円に上がっています。

調べてみると…

※燃料調整制度というものがあり,電気料金のコストのうち燃料費は経済情勢(為替レートや原油価格等)の影響を大きく受けることから電力会社の経営効率化の成果を明確にするため,燃料費の変動を迅速に電気料金に反映させる制度。

とのこと。

2021年ではコロナ,2022年ではロシア情勢の変化からこの燃料費調整額を大幅に上げることで原油価格分をお客様に付加しているようですね。

この燃料調整費単価の基準は電力会社で定められていますが,現在の平均燃料価格と基準燃料価格での差額で割り出されたもので算出され,各ご家庭の使用量に掛け合わされて燃料調整費となるようです。

つまり,電気使用量が多ければ,多いほど燃料費調整額は高くなることになります。

また電気代の単価は電気代と使用料で割り出してみると<2021年アパート>と<2022年戸建(ZEH)>を比較してみるとさほど変化はありませんでした。

ニュースでも電気代が上がったと上がったと私たちに伝えていますが,正確には電気単価が上がっているのではなく,燃料費調整額が上がったということになります。

再エネ発電賦課金

後注目は「再エネ発電賦課金」です。<2021年アパート>では1,962円で<2022年戸建(ZEH)>では1,155円となっております。807円下がっているのは先ほどもお話した4割ほど電気使用量が下がっていることが要因です。2021年の再エネ発電賦課金単価は約3.36円/kWhで2022年の再エネ発電賦課金単価は3.45円/kWhと上昇気味です。再エネ発電賦課金もこの単価に各ご家庭の使用電気量に掛け合わされて算出されるものですので,使用電気量が多ければ多いほど高くなっていきます。

もし2022年もアパートに住んでいると電気代は?

もし2022年もアパートに住んでいると仮定すると,同じ電気使用量を使用していたとしても約16,000円以上になっていたと考えられます。その理由は電気使用量が多ければ多いほど「燃料費調整額」と「再エネ発電賦課金」が多くなっていくからです。

住宅の高性能化と太陽光発電設置の実際のメリット

私も2022年9月の電気料金明細書を見たときの印象は「そんなに電気代安くなっていないのでは?」と思いました。しかし,詳細を確認すると,基本料金と電力量料金だけを見れば3,000円以上安くなっていたのです。

上記では売電の事には触れていませんが,9月は電気使用料金の10,786円以上にお金として戻ってきていますので差し引きすると,電気代は0円以上にプラスで返ってきています。

来年はさらに2~3割電気代値上げ??

解説】電気代“来春以降に2~3割値上げ”の可能性…10月にはガス代も 「国民負担」軽減のため新制度を検討 - ライブドアニュース

2022年9月29日に岸田首相が「来年春以降に電気料金が2~3割値上がりする可能性がある」ということを表明されました。そのうえで前例のない思い切った対策を検討されるようですが,国民負担は免れないと思います。2~3割電気代が上がれば私が2023年にそのままアパートに住んでると仮定すると電気代は約20,000円以上になると予想されます。2021年9月の電気代12,510円と比較すれば6~7割UPですので家計には大打撃です…

まとめ

長々と書かせて頂きましたが上記の事をまとめると,今後新築や大規模リノベーションをご計画の方は

省エネ化のための住宅の高性能化創エネするための太陽光発電設備は前向きに検討頂くことがBEST

ということです。計画の際の手順としては

「①住宅の高気密高断熱による省エネ化」→「②太陽光発電システム導入に伴う創エネ化」→「③蓄電システム導入に伴う電気の内省化」です。

まずはランニングコストやメンテナンス費用がほぼ0に近い住宅の高性能化を第一に考え,予算に伴い太陽光発電の導入,さらに予算がとれれば蓄電池システムの導入検討を進めていくことがセオリーだと考えます。

ただし,現在の蓄電池システムはまだ費用的には高いため単体で元を取るというのは厳しいため,太陽光発電を設置して10年を超えて売電単価が下がる時期に検討するのもいいと思います。その時には蓄電池システム普及も進んでいて相場も下がっている可能性もありますので。

では本日はこのへんで。

原油や物の値段が上がっても穏やかで快適な生活をしていきたいですね。

ありがとうございました。