2022.11.14

お客様のアフター訪問で感じたこと

皆様、こんにちわ。

弊社は石川県小松市を拠点に小松市,能美市,加賀市を中心に

「全棟気密検査実施 、 断熱性能UA値=0.34W/(㎡・K)以下 、気密性 C値=0.1c㎡/㎡、耐震等級3の住宅」を設計・施工させて頂いている工務店です。

先日,小松市で注文住宅を建ててくださったお客様のアフター訪問に伺わせて頂きました。

有難いことにこの寒くなる時期は特に「エアコンつけてないのに全く寒くない」,「家の温度差が少ないので掃除がはかどる」などお客様からお褒めのお言葉を頂くことができます。

今回も訪問を快く受け入れてくださり,いろいろコミュニケーションを取らせて頂きました。

その中で,興味深いお話をお聞きしたので,そのことについて思うことを書いてみたいと思います。

お客様のエピソード

このお客様が注文住宅を建てられる1年前に奥様のお兄様が金沢市で建売住宅を購入されたとのこと。ご兄弟同士が仲が良く,お兄様がお客様の新築によく遊びにくるそうです。初めて遊びに来られたのが,真冬の日でお家に入った瞬間にお兄様が「この家なんでこんな暖かいの?しかもエアコン1台で?」とびっくりされました。

お兄様は帰宅前に冗談交じりに「今の家を建替えしたい」と独り言を言い,帰えられたそうです。

家を建てるきっかけや理由・優先順位

新築を建てるきっかけは様々だと思います。「子供が来年小学生になるから環境のいいところに住みたい」,「今の賃貸住宅は狭くて,収納が足りなくて」,「友達の新築遊びに行ったらいいなと思って」など。

そして,家を建てる理由や優先順位も同様に様々。「便利」,「動線重視」,「オシャレで素敵」,「収納が多い」,「冬も暖かい・快適」など。

この上記で挙げた理由や優先順位の中に注文住宅の設計時や打合せ時にはわかりにくいものが一つだけあります。

何でしょうか?

それは「冬でも暖かい・快適」です。

実はこれだけは注文住宅を建てる際,実際住むまでは目に見えない・感じることができないものなんです。

このことが落とし穴で上記のお客様のエピソードのような後悔につながります。

「新築=暖かい」という漠然としたイメージ

「新築になれば今住んでいるところよりも暖かい環境になるだろう」という漠然としたイメージをお持ちではありませんか?

どんな家を建てても答えはその通りだと思います。

それは断熱材も日進月歩進化していますので,現在住んでいる何年もしくは何十年前に建てた住まいよりは断熱性能は優れているからです。

しかし,強調したいのは「今住んでいるところよりも」ということ。あくまでも自然に「お隣さんやお友達のような冬でも暖かい家」には100%ならないのです。

冬でも暖かい快適な家を手に入れるためには

多くの人が一生に一度の家づくりのはずです。寒い家など誰も欲しくはないと思います。ではどのようにすれば「冬でも暖かい家」を手に入れられるのでしょうか?私は方法は大きく分けて2つあると考えています。

①ご自身で家のしっかり勉強をする

間違いなくこれは大切なことです。今では簡単に情報を手に入れられます。「インターネット」,「住宅会社の内見会や構造見学会」,「セミナー」などさまざまです。弊社に来店されるお客様も「UA値やC値」などの断熱性能や気密性能などの基本的なことを知っている方は多くはいらっしゃいます。

②絶対的に信頼できる住宅会社を見つける

勉強するとは言いうものの一般の方が建築の専門知識を得るのは簡単ではないかもしれません。お仕事や子育てしながらですからなおさらです。となれば「餅は餅屋」です。絶対的に信頼できる住宅会社を見つけて相談していく。これができれば最短ルートで「冬でも暖かい家」を手に入れられると思います。

弊社の取り組み

弊社はお客様に「暖かいを見える化」して頂くために「暖かさが分かる構造見学会」や「完成見学会」,「後悔しない家づくりセミナー」さまざま行っています。

打合せ時には建築予定の住宅の性能を数字ですべて伝えるようにしています。一部ですがご覧ください。

建てる前に住宅性能値をお伝えする

建築予定の住宅の性能

建築前にの建てる住宅の性能をお話を必ずさせて頂きます。この資料を基に「断熱をさらに強化していくか」,「南面のサッシをトリプルにするか」など細かな打合せしていきます。例えば「すべてトリプルサッシが基本仕様」というのは住宅会社としては簡単ですが,お客様にとっては無駄なコストがかかってしまう可能性が大です。弊社はしっかりと性能値をシュミレーションしてさまざまな仕様を決定することを大切にしています。

建築予定の住宅の性能と国が定める基準値の比較

こちらは建築予定の住宅がどの程度の性能レベルなのか理解できる図になります。

毎月支払うのは住宅ローンだけではない

ご検討住宅の水道光熱費

毎月支払うのは住宅ローンの他に「水道光熱費」というものがあります。当たり前なのですが,当たり前すぎてマヒしていることが多く住宅計画中に忘れがちです。ご提案住宅と省エネ基準をギリギリ満たしている比較住宅とではどれほど光熱費が変わるのかシュミレーションを見ながらご理解頂けます。

ちなみにこのお客様のご提案住宅はUA値=0.33,C値=0.1,太陽光発電6.75KWnの高性能ZEH住宅ですが,水道光熱費は比較住宅と比べると年間水道光熱費312,670円も安くなる計算です。こちらはメリットをご理解頂いた上でご採用頂きました。

住宅は最も高額な買い物です。どうしても建築費を抑えることを考えがちですが,住宅ローンと光熱費を踏まえた上でどういった住宅を建てるのかぜひご検討頂くことをおススメ致します。

35年間のライフサイクルコストを考える

住宅性能が上がれば,建築コストが上がるのは仕方のないこと。しかし,これでは検討材料が少ないため,お客様の多くは価格が一番の判断材料になってしまいます。ですので弊社は35年間にかかるライフサイクルコスト(水道光熱費・売電・自家消費相当分・修繕費)というデータをご提示し,ご提案住宅と一般住宅とを比較できるようにしております。

これはあくまで「一生に一度の高い買い物を後悔をしてほしくない」という考えのもと,判断材料を増やししっかりご検討頂くために行っていることです。

まとめ

住宅を建てるにはほとんどの方が住宅ローンを利用されます。借入限度や返済できる限度も人によってさまざまですので,注文住宅や性能の高い住宅を建てることができない方もいるのは重々承知しております。私が今回お客様のお兄様のお話をお聞きし,ショックだったのは「暖かい家にするための術を知らなかった」ということです。

もし,ご自身でもっと住宅について勉強されて,関わった住宅会社さんや不動産会社さんがさらに1つでも良い提案があったのであれば,1年経過していない住宅を「建替えしたい」と冗談でも言わなかったのではないかと思います。

今回の事例を通し,「後悔しない家づくり」を少なくとも弊社の関わったお客様にはしていかなくていけないと原点に返った気持ちになりました。

それでは本日も最後までお読みくださり,ありがとうございます。皆様の何かのお役に立てれば幸いです。

ちなみに随時様々なイベントの情報もHPのトップにUPしておりますので,ご興味やご不安なことがあればご相談お待ちしております。

それでは失礼致します。