2022.11.17

断熱性能と健康について

皆様、こんにちわ。

弊社は石川県小松市を拠点に小松市,能美市,加賀市を中心に

「全棟気密検査実施 、 断熱性能UA値=0.34W/(㎡・K)以下 、気密性 C値=0.1c㎡/㎡、耐震等級3の住宅」を設計・施工させて頂いている工務店です。

最近のコラムは住宅の断熱性能・気密性能が快適性や経済面にどのように影響するかをさまざまな観点から書かせて頂いておりました。本日は快適性の先にある「健康」について考えてみたいと思います。

年間交通事故死よりも多いヒートショックによる死亡

ヒートショックという言葉は昔に比べ最近は耳にするようになりました。

これは温度の急激な変化で血圧が上下に大きく変動することで失神や心筋梗塞,不整脈,脳梗塞などの健康被害のことを言います。

入浴時にヒートショックにより失神し,溺れて死亡するケースは12月~1月の寒い時期に最も多いとされています。

ちなみに令和頑年度での年間の交通事故死亡事故は2,508人に対して,ヒートショックによる死亡事故は4900人と交通事故死亡事故の約2倍とされています。

血圧を安定させるには

リビング→脱衣所で脱衣→熱いお風呂に入るまでの流れで血圧の変化を夏と冬で比較してより細かく見ていきたいと思います。

お風呂に入るまでの血圧の変化を夏と冬で比較
ヒートショックになりやすい冬場

条件としては外気温25℃の夏場で各室温がさほど変化のない夏場よりも,外気温が10℃の冬場でリビング(20℃)→脱衣所(8.6℃)→浴槽内(39℃)の温度差が大きいほど血圧の上下が大きいことがわかります。

以上のことからヒートショックを防止するには室温の温度差をできるだけ少なくすることが重要になっていきます。

省エネ基準レベル(昔の家)とHEAT20 G1レベルの家で温度差を比較

省エネ基準における地域区分6地域で省エネ基準レベル(UA値=0.87)の家とHEAT20 G1レベル(UA値=0.56)の家をある一定条件(外気温0℃,暖房設定温度20℃,暖房設置場所LDK)で部屋内の温度差をシュミレーションしてみました。

省エネルギー基準レベルの家の場合,リビングダイニングと廊下を挟んだトイレの温度差が10.3℃。

それに対してHEAT20 G1レベルの家の場合はリビングダイニングとトイレの温度差は6.8℃とになり,HEAT20 G1レベルの家の方が3.5℃温度差が少ない家になったことがわかります。

ちなみに弊社はさらに上のHEAT20 G2グレード以上の家づくりを基本に行っているので,お引渡しの家の多くが居室と非居室の温度差は約1℃以下になっています。

昔の家・いまの家・これからの家をサーモグラフで写してみた

「室温が同じなのに快適さが違う」という経験はありませんか?これを調べた実験があります。

下の写真は断熱性能・気密性能が異なる同じ大きさの部屋を作り,同温度設定で暖房を稼働させて,サーモグラフでどのように違うか実験した資料になります。

<同条件 外気温0℃,エアコン設定温度20℃>

・「昔の家」  UA値=1.43 C値=11.2

         (天井・壁・床 グラスウール50mm,窓 アルミ・単板ガラス)

・「いまの家」 UA値=0.85 C値=4.5

(天井・壁 グラスウール85mm,床 硬質ウレタン45mm,窓 アルミ樹脂・ペアガラス)

・「これからの家」 UA値=0.45 C値=0.7

(天井・壁・床 硬質ウレタン100mm,窓 アルミ樹脂・ペアガラス アルゴンガス入り)

まず昔の家(昭和55年基準の家)は窓が真っ青になっていることがわかります。こちらでおおよそ10℃以下。後床下も次いで12~8℃と青くなっていることが分かります。これはどれだけ暖房をかけても冷気が下にこもり,暖気が天井に抜けていってしまっています。体感としてはかなりの底冷えになっていると考えられます。

次に今の家(平成28年基準の家)は窓,床が緑色でおよそ16℃程度になっています。昔の家に比べるとかなり改善していますが,それでも少し寒さを感じる温度だと思います。

最後にこれからの家(HEAT20 G2グレードの家)ですが,サッシは黄緑で18℃程度,それ以外は黄色でほぼ均一に20℃程度を保っていることが分かります。

部屋の上下に温度差があり,壁・天井・床などの表面温度が低くなると体感温度が実際の室温よりも下がってしまい,不快と感じてしまうのです。

これが「室温が同じなのに快適さが違う」という原因です。

室温による疾病リスク

室温による疾病のリスクが英国により報告されています。以下が資料です。

16℃以下になれば呼吸器系疾患に影響があることから「いまの家」でも断熱性が十分でないと言えます。「これからの家」であるHEAT20 G2グレードを国が推奨していることが理解していただけるのではないでしょうか?

家全体の断熱性能を高めることで快適性につながる

快適に生活するのには壁・天井・床の家全体の断熱性能を上げることが必須です。それが部屋ごとの温度差を少なくし,部屋内の表面温度を均一に保つことが可能になります。

結果として健康につながると言えます。

以下は断熱グレードが低い家から高い家に転居した場合,疾患の改善率を表したデータになります。

断熱性が高い家に住めば健康を害する諸症状が少なくなっています。特に気管支喘息やのどの痛み,せき,アトピー性皮膚炎の改善率が高いことがわかります。

まとめ

今回は住宅の断熱と健康について深い関わりがあることがご納得頂けたと思います。健康に暮らすなら最低でもHEAT20 G2グレードの断熱性が必要です。弊社としては石川県小松市で注文住宅を建てる場合はUA値=0.37の確保は必須だと考えています。その詳細は別コラムにて。(https://ilachichome.com/wp-ih/custom-house/airtight20220907/)

本日も最後までお読みくださりありがとうございます。何か一つでもプラスになれば幸いです。ご質問などあればお気軽にHPからご相談ください。