皆様、こんにちわ。
弊社は石川県小松市を拠点に小松市,能美市,加賀市を中心に
「全棟気密検査実施 、 断熱性能UA値=0.34W/(㎡・K)以下 、気密性 C値=0.1c㎡/㎡、耐震等級3の住宅」を設計・施工させて頂いている工務店です。
高気密高断熱住宅いわゆる高性能住宅には多くのメリットがあります。しかし,一般住宅とはスペックが違うため,注意点もあります。
弊社は昨年まで石川県小松市で(省エネ基準地域6地域)で「UA値=0.32W/㎡k,C値=0.1c㎡/㎡,ηAC値=0.9%,エアコン1台で暮らす」モデルハウスを所有しておりました。
このモデルハウスで生活して気づいた点を紹介していきたいと思います。
【注意点1】 魔法瓶がゆえに音が反響しやすい
高気密高断熱住宅のイメージを一言でいえば「魔法瓶のような家」です。魔法瓶は朝入れたお湯がその日の夜でも温かく保てる大変便利な水筒です。
魔法瓶のような住宅は外気の熱から家を守り,屋内で作ったエネルギーを外に逃がさないメリットがありますが,音に関しても同じ状況になります。
つまり,外の音はシャットアウトできる高い防音性なのですが,室内から出た音は反響しやすくなります。
一般住宅の場合はすき間が多いため,出た音が外に出ていく逃げ道があります。これに対して高気密高断熱住宅はすき間が少ないため,音の逃げ場がなく,結果的に室内を反響することになります。
反響音の程度
高気密高断熱住宅の反響音の許容範囲は人それぞれになります。また職業的に夜勤があるなど不規則な時間帯での職業の方は家族が起きる時間帯に就寝することになりますので,音には注意が必要です。
ちなみに木造の高気密高断熱住宅の反響音は鉄筋コンクリート造のマンションの1室程度という見解があります。
反響音の対策
室内から出た音は壁や天井,床ににぶつかり反響して,最後は家具やカーテン,床や天井などに吸収されます。
<吸音材を取り入れる>
1つの対策には天井や壁材に吸音材を取り入れることです。
以下は天井に吸音材を取り入れた例で掃除機をかけると,掃除機の音が3割削減できたとのことです。
建築仕上げ用の吸音材も存在します。デザイン的にも優れたものもありますので,音が気になる方は早めの段階で工務店さんに相談する方が良いと思います。
<インテリアで吸音する>
室内の反響音はカーテンやラグのファブリック類やベットやソファなどのインテリアを設置することで吸音することが可能になります。さらに吸音性の高い家具もありますので,インテリアを選ぶ際,これらを基準の一つにすることもおすすめです。
<設計段階で間取りに注意する>
音のする洗濯機のあるランドリースペースや子供部屋,トイレなどを主寝室に隣接させないなどの設計段階での間取りに注意することは大切です。
どうしても隣り合ってしまう際はクローゼット部屋の間にクローゼットを作るなどの対策も可能です。
反響音に関するまとめ
反響音の許容範囲は人それぞれになります。一番のおススメはやはり体感です。完成見学会などで体感して頂くことが最もよろしいと思います。それによって,必要あれば建築打合せの段階で対策準備していくことが大切です。
ちなみに私も家族もモデルハウスに泊まってみて反響音を確認してみましたが,許容範囲でした。鈍感なのかもしれません(笑)
【注意点2】冬場は乾燥ぎみ
モデルハウスでは冬場1台でエアコン(暖房設定温度22℃)で全体の室温20~22℃程度の快適な空間でした。ただ室内の湿度は高い状態で45%から低い状態では38%程度で乾燥ぎみの状態になる場合もありました。
大人が快適に過ごすことができる適正な湿度は40~60%です。湿度が40%以下になると,ウイルス飛沫は広がりやすくなります。また60%を超えるとカビや雑菌が繁殖しやすくなります。
高気密高断熱住宅はなぜ乾燥する?
高気密高断熱住宅が乾燥する原因は「室温を高く保てている」ことが挙げられます。そもそも冬の空気自体が空気中に含まれている水分量は少ないです。その空気を室内で快適な温度にすると,室内の水分量は下がり乾燥することになってしまいます。
昔の家は冬乾燥が気にならなかった
昔の家は冬乾燥が気になりませんでした。逆に言えば多湿な環境だったとも言えます。その理由について書かせて頂きたいと思います。
<気密性の低さ>
まず,昔の家は気密性がとても低いです。天井裏に入ると,外の光が見えるほど…従って水蒸気はどんなすき間からも入っていくことになります。
<断熱性の低さ>
壁や天井,床の断熱性が低いことにより,屋内の暖かい空気と外の寒い空気の温度差ができ,室内結露が起こります。結果,湿気が多い空間になります。
<換気不足>
湿度が高い場合の理由は換気不足によることも理由に挙げられます。24時間換気システムの義務付けは2003年から行われました。換気回数の基準が設けられており,1時間換気したとき室内の空気の半分以上が入れ替わる計算になります。
定期的に窓での換気はなかなか限度があります。
<暖房機が石油ストーブ>
昔の家の暖房器具と言えば石油ストーブでした。石油ストーブの場合,石油と同じ体積分水蒸気を発生させます。加えてストーブの上にやかんを置いておくとなお加湿状態になります。
乾燥に関する対策
<洗濯物を室内に干す>
濡れた洗濯物を室内に干すことで,洗濯ものが乾くことと同時に過乾燥を防止することが可能になります。実際洗濯物を干すと湿度は40%以上は確保できることも確認できました。高気密高断熱住宅のメリットとして,洗濯ものが乾きやすいというメリットがあります。そして洗濯物が多ければ分散して干すことで乾きがより早くなり,湿度も家全体に適正に保たれます。
設計段階でランドリースペース以外でも洗濯物を干すことができるスペースも考えておくのも良いと思います。
<適切な温度管理>
室温は高すぎると,過乾燥が起こりやすくなります。低すぎて寒いでは高気密高断熱住宅に住む意味はありません。室温と湿度のバランスを考えて冬場は22~23℃の室温が適正かと思います。
<加湿器を使う>
加湿器をつけて部屋の湿度を上げる方法です。一番お手軽な方法ですが,過加湿になると,結露の可能性の原因になりますので,加湿器を置く場所など工夫が必要です。
<観葉植物を置く>
加湿器ほどではありませんが,水気のあるものを部屋に置くのはある一定の効果があります。室内に緑があることで癒しをもたらしてくれるインテリアにもなるため,おススメです。
乾燥に関するまとめ
昔の家と比較してもそもそも乾燥するということは逆に言えば,「温度を高く保てている」ということになります。従って,昔の家に比べれば結露しにくいということであり,健康にもつながることになります。乾燥の対策に関しては洗濯物を干す場所などをしっかり事前に計画ておき,住みながらご自身の適切な温度湿度を見つけてその対策を行うことが大切になります。
最後に
今回は「高気密高断熱住宅の注意点と対策」と題して私が実際住んでみて感じたことを書いてみました。一般住宅とはスペックが異なるため,使用や管理の仕方も変わってくるものです。ですので,高気密高断熱住宅を購入する前に特性や注意点とその対策を知っておくことはとても大切です。
私たちはアイラシックホームは石川県小松市に拠点を構える「本物で快適な高気密高断熱住宅を創る小さな工務店」です。住宅を建てるにあたって疑問なことがあればなんなりとお気軽に「お問合せフォーム」からご質問ください。
それでは,本日もありがとうございました。