2024.04.08

住宅省エネの取り組み方が大きく変化

皆様、こんにちわ。

弊社は石川県小松市を拠点に小松市,能美市,加賀市を中心に

「全棟気密検査実施 、 断熱性能UA値=0.34W/(㎡・K)以下 、気密性 C値=0.1c㎡/㎡、耐震等級3の住宅」を設計・施工させて頂いている工務店です。

本日は社会が大きく変わり始めることについて書かせて頂こうと思います。

現在、日本を含む先進国は2050年のカーボンニュートラル(脱炭素)達成の目標に向けて取り組んでいます。カーボンニュートラルとは以下がイメージです。

建築業界もカーボンニュートラルを軸として、様々な施策が進められています。皆様ご存じの住宅省エネ2024キャンペーンの補助金もその一環です。「いかに脱炭素な暮らし、つまりエネルギーを使わずに快適に過ごしていくか」は全国民が国から求められている宿題でもあります。

これから、2050年までの目標達成に向けて私たちの省エネや再エネの取り組みが大きく変化していくことは間違いありません。

そんな中、九州電力さんが電力料金新プランを4月1日に発表されました。

九州電力の電力料金新プラン

九州電力の電力料金新プラン名が「おひさま昼トクプラン」になります。

電力量料金のイメージが以下になります。

朝の8~10時と夕方の16~18時が夏・冬35.02円,春・秋31.84円と最も高い単価で、次に夜から朝方18~8時は18.37円、昼間10~16時は夏・冬13.47円、春・秋12.37円と最も安い単価になります。

北陸電力の深夜電力契約のくつろぎナイト12というプランと比較して頂くと、特徴が分かりやすいかもしれません。

北陸電力のくつろぎナイト12では昼間時間が39.87円と単価が最も高く、夜間時間が26.98円、ウイークエンド時間が33.8円の単価になります。

違いが以下になります。

「おひさま昼トクプラン」 単価の高い順 朝夕 ⇒ 夜 ⇒ お昼 

「くつろぎナイト12」   単価の高い順 お昼 ⇒ ウイークエンド ⇒ 夜

電気料金単価の高い時間帯と低い時間帯はほぼ逆転していることがわかります。

おひさま昼トクプランができた背景

おひさま昼トクプランができた背景としては太陽光が発電をはじめとする再生エネルギーが大量導入されたことです。九州エリアでは春秋の昼間を中心に電力の供給量が需要を上回る状況が発生しており、再エネ電源の出力制限が増えております。出力制限とは電力会社がエネルギーの買取を一時的に停止することで、つまりせっかく作った電気を捨てていることになります。

太陽光発電の出力制限イメージ

この状況を踏まえて、再生エネルギーを最大限活用するために昼間の需要創出を促進する料金プランを他の電力会社に先行して作ったという経緯があります。

おひさま昼トクプランの対象者

このプランの対象者としては

・自宅に太陽光発電を導入している

・おひさまエコキュートを導入している

・蓄電池もしくは電気自動車を使っている

太陽光発電+おひさまエコキュートで自家発電したエネルギーで昼間お湯を作り出し、太陽光発電+蓄電池で高い夜間の電気を使わず、自家消費で過ごすことできる方であればかなり有効なプランであると思います。北陸電力のくつろぎナイト12よりも全体の単価も低いですし。

今後のエネルギーの使い方の方向性

北陸も再生エネルギーの普及で春夏秋の時期は昼間は需要よりも供給が上回っていくことが考えられます。

実際,今年度から始まった住宅省エネ2024キャンペーンの給湯器省エネの補助金事業では太陽光で発電したエネルギーでお湯を作る一定の負荷以降が可能なおひさまエコキュートには補助額が大きくなります。

従って、今回の九州電力のように昼間の電力量料金単価を割安にすることで、夜間・朝夕から昼間へ電気使用の移行するという方向性は順次東の電力会社にも浸透していくに違いありません。

日本のエネルギー変革というものは西から始まっていきます。当時、太陽光発電システムが発売されてから普及が最も早かったのも九州エリアとも言われています。

北陸電力の電力料金新プラン

実は2024年4月から北陸電力も電力料金新プラン「ecoシフトチェンジ」を始めています。

導入背景は「おひさま昼トクプラン」とほぼ同じになります。再生可能エネルギーによる供給の多い昼間に電気使用量をシフトすることが狙いになります。以下がそのイメージです。

そして,以下がecoシフトチェンジの料金体系になります。比較しやすいように、くつろぎナイト12の料金体系も載せておきます。

ecoシフトチェンジの料金体系
くつろぎナイト12の料金体系

ecoシフトチェンジの電力量料金は一律31.98円になります。

また、ecoシフトチェンジの加入条件はDR(デマンドレスポンス)サービスに加入することです。DRとはエコキュート等の沸き上げ時間を遠隔で制御することです。加入すると、毎月ほくリンクポイントが650ptもらえます。

日常の加入者の作業イメージとしては北陸電力から前日に割引日時をメールで連絡がきて、遠隔で沸き上げ時間をその時間に調整します。そして、その電力をシフトした分を割引してくれるとのことです。

以下がそのイメージ図になります。

そして,気になる月々の電気料金について。

ecoシフトチェンジを導入した際のモデル料金のイメージとくつろぎナイト12との比較が以下にになります。

現在、私はくつろぎナイト12に加入していますが、個人的な意見で言えば、現時点でecoシフトチェンジには乗り換えないです。理由としまして、

①電気量料金はもう少し夜を安くする必要がある

②加入者の手間が多い。手間の割には毎月の割引額が低い

③現金値引きではなく、ポイントで返す割合が多い。

実際、上記のモデル料金の図を見てもポイントも含めた形でほぼくつろぎナイト12のプランとトントンです。モデルでこの状態では実際はプラン変更でマイナスになったというケースもあり得ます。九州エリアよりも冬場の太陽光による発電が低いという不利な状況があるにせよ、北陸電力にはもっと頑張って頂きたいと願います。

先を見据えた家づくり

家は一度建てれば、なかなか変えることができません。

今だけ得する家を建てるのか、今後50年の中で最も得な家を建てておくのかではかなり違ってきます。

今から10年以上前、温水器や蓄熱暖房の機器は「どんどん普及してください」という時代でした。今や消費電力が高い理由でこれらの機器を撤去・処分する場合は補助金が上乗せされる時代です。床暖房も一時期かなり普及されましたが、初期費用、電気料金費用やメンテナンス費が多くかかることが理由で万人受けしなくなりました。変化は確実に速くなってきています。

今後の先を見据えた上で、世の中において最適な家を建てておくことがご家族にとって必ずプラスになってきます。

ぜひ、これから住宅を建てられる方は時代を見据えて、時代を先取りした家づくりを行って頂ければと思います。

本日も最後までお読みくださりありがとうございます。

弊社では随時高気密高断熱住宅に関するイベントを実施しております。

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